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【こんな映画でした】60.[パニック]

2021年 1月18日 (月曜) [パニック](1946年 PANIQUE PANIC フランス 94分)

 「フランス映画パーフェクトコレクション フィルム・ノワール 暗黒街の男たち」の一枚。
 ジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品。これは見事な社会派映画と言えよう。先に[仕立て屋の恋]を観ていたので比較することになった。細部に違いはあるが大筋は同じと言える。ただその内容は相当に差がある。新しい方はリメイクというのとは違う、別の恋愛映画である。

 ということで、これは秀作と言うべきか。大衆というものの怖さ、人間の醜さなどが描かれている。その人が、何でもないちょっと変わっているというだけで、その社会から排除されていくわけで、それを平然とやってしまう群集心理の怖さである。

 陥れる悪女をヴィヴィアーヌ・ロマンス、撮影当時33歳。ミシェル・シモン(イーレ役)がその犠牲者役。撮影当時50歳。色男をポール・ベルナルド、撮影当時47歳。この人は何だったか、他の映画でも同じような役をしていた。

 結局、「パニック」とは、大衆のそれと、イーレのそれ、そしてラストシーンではその悪女もメリーゴーランドに色男と乗りながらパニックになっている、ということか。なかなか洒落たラストシーンだ。

 「移動遊園地」という言葉に初めて出会った。これまで観た映画の中でも二本ほどに登場していたが、その時は常設の遊園地なのかと思っていた。それにしてはおかしいと思っていたが、今回その謎が解けた。各地を回っているのだろう。

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