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【こんな映画でした】707.[忘れじの面影]

2020年10月 5日 (月曜) [忘れじの面影](1948年 LETTER FROM AN UNKNOWN WOMAN アメリカ 87分)

 マックス・オフュルス監督作品。初めて。主役女優のジョーン・フォンテインは撮影当時30歳。[レベッカ]などで観ている。ピアニスト役はルイ・ジュールダン、撮影当時27歳。[007 オクトパシー]や[パラダイン夫人の恋]で観ているようだ。

 原作はステファン・ツヴァイクの小説『未知の女からの手紙』ということなので、原題はそのままだ。それを「忘れじ」という古語の言い回しで決めている。現代語の「忘れられない面影」では、やはり拍子抜けしてしまうだろう。名訳と言うべきか。

 内容的には、男の薄情さが結局その人生をダメなものにしてしまう、といったところか。やはり人間というのは、誠実に生きねばならないものだ、と教訓を垂れるわけではないが、そのように気付かされる。

 対して、女性の方の一途さは、ついに今の幸福まで壊してしまうほどに激しいものということなのか。それは一般的には不幸な出会いであり、その結末であると断定されるところだろう。所詮、当人にしか分からないことではあるが。

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