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【こんな映画でした】405.[イタリア式離婚狂想曲]

2023年 2月24日 (金曜) [イタリア式離婚狂想曲](1961年 DIVORZIO ALL'ITARIANA DIVORCE-ITALIAN STYLE イタリア 105分)

 ピエトロ・ジェルミ監督作品。妻ロザリアをダニエラ・ロッカ(撮影当時23歳)、メイキャップが凄くてあまり美形に見えないようにされているのが気の毒だった。またその役柄も。夫はマルチェロ・マストロヤンニ(撮影当時36歳だが、作中37歳でスタート。恩赦で出獄して40歳)。今作ではややしょぼくれた役柄である。アンジェラ役ステファニア・サンドレッリは、撮影当時まだ15歳か。

 この映画は[誘惑されて棄てられて](1963年 SEDOTTA E ABBANDONATA SEDUCED AND ABANDONED イタリア 123分)同様、離婚ができない当時のイタリアの法制度に、一石を投じる映画の一つだろう。怖い話だが、離婚ができないのでどうするかといえば、伴侶が死亡すればオーケーというか、それしか方法がなかったようだ。

 傑作なのは街の男どもが大挙して映画館に押しかけるのだが、その映画が何とフェデリコ・フェリーニ監督の[甘い生活]。言うまでもなくアニタ・エクバーグのボリュームたっぷりの肉体美が見られるということであった。そしてこれまた言うまでもなく主演男優は、ここでも主演のマルチェロ・マストロヤンニなのである。だから彼は途中で映画館から出て行く。自分の出て来るシーンは写らないうちに。

 とまれ法的な離婚が認められないと、このような悲惨な・凄惨なことが起こるぞと言っているわけだ。社会や宗教・因習などに対する強烈な批判でもある。

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