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【こんな映画でした】44.[ギルバート・グレイプ]

2022年 3月15日 (火曜) [ギルバート・グレイプ](1993年 WHAT'S EATING GILBERT GRAPE アメリカ 117分)

 ラッセ・ハルストレム監督作品。[ショコラ](2000)・[シッピング・ニュース](2001)をこれまでに観ている。題名に出てくるギルバートをジョニー・デップ(撮影当時30歳)。相手役ベッキーをジュリエット・ルイス(撮影当時19歳)、ファニーフェイスだ。[8月の家族たち](2013)で観ているようだ。

 そして問題児の弟アーニーを何とあのレオナルド・ディカプリオ(撮影当時18歳)。よく研究して演技に取り入れている。家族に一人このような子がいたら、その面倒をみるために家族全員が負担を強いられることになるが、中でも父親亡き後の長男ギルバートがその任に当たることになる。相当、無理をしている様がいくつかのエピソードで描写されている。

 原題は「何をくよくよしているの・悩んでいるの」ということらしい。あるいは「何かあったの?、どうして機嫌が悪いの?」とも。なるほど、そう言われてみれば思い当たる。基本的にいつもギルバートは仏頂面をしている。

 ギルバートが一家の長として責任を負うことになったのは、17年前の事件からである。父親が何も誰にも言わずに、家の地下室で首を吊っていたとのこと。ギルバートによると、無表情な感情の起伏のない男性であった。父親に先立たれた家族は、母親、ギルバート、弟アーニー(18歳)、姉エミーと妹エレン(15歳)の五人。ギルバートと姉との収入で家計を切り盛りしている。

 父親に良い感情を持っていなかったギルバートであるが、妻にとっては最愛の人であったのだろう。母親はそのショックで立ち直れず、この7年間はずっと家にこもったまま、ひたすら食べては寝るという生活を続け、ついに肥満体に。身動きもとれず、食事も寝るのも一階のリビングルームのソファで、という始末。近所の子どもたちがその肥満体を見にやって来るシーンがある。つまり並みの肥満体ではないということだ。本人も恥じてはいるのだが、自分でどうしようもない。

 その母親役の俳優はダーレン・ケイツ(撮影当時45歳)で、当時その体重は200キログラムを超していたとか。仲の良い友人役にジョン・C・ライリー。[おとなのけんか](2011)で観たばかりだが、他にも[めぐりあう時間たち](2002)・[アビエイター](2004)で観ている。なじみの顔となっている。

 家族で一緒にテレビを観ているシーンがあるが、そのモノクロの映画はモンゴメリー・クリフトが出ていた[終着駅]のような気がする。お母さんはそれを観ながら泣いているのであった。ギルバートは白けていた。もう一本、別のシーンでもモノクロ映画がテレビに映されていたが、そちらは分からなかった。とまれ、これもオマージュであろう。もっともメイキングによると、監督が選択したのではないとのことだった。

2022年 3月16日 (水曜) [ギルバート・グレイプ](1993年 WHAT'S EATING GILBERT GRAPE アメリカ 117分)音声解説版

 昨日に続いて、今度は監督と原作の小説家・脚本家の二人による音声解説版を観る。俳優のことやら、制作費や中味(家を最後に燃やすことに反対される等)でタフな交渉もあったようだ。

 あとセリフは折角の脚本家のそれにもかかわらず、かなり即興があったとのこと。役者がそれを演じていて自然と出てくるセリフの方が真実味があるということだろう。

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