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【こんな映画でした】194.[薔薇の名前]

2010年 4月 9日 (金曜) [薔薇の名前](THE NAME OF THE ROSE 132分 フランス/イタリア/西ドイツ 1986年)

 ジャン・ジャック・アノー監督作品。授業で修道院の風景を見てもらうために使ったことがある。今日、観るのは二回目(いずれもVHSで)。最初はどうしてもストーリーを追ったり、授業で使えるところはないか、といった見方をしてしまったのだが、今日はミステリーとしても楽しめた。

 もっとも、基本的には暗い映画ではある。キリスト教にまつわるおどろおどろしいこと、魔女であるとか異端であるとかが出てくるので。そして火刑シーンも。

 「笑い」を忌み嫌い拒否する感覚は、私たちには理解しづらいところだが、その宗教者たちには立派な理屈があるわけだ。宗教というものは難しいものだ。信じるものからしたら当然のことが、無信仰のものには集団ヒステリーのように見えるから(特に異端審問など)。



2021年 5月 2日 (日曜) [薔薇の名前](THE NAME OF THE ROSE 132分 フランス/イタリア/西ドイツ 1986年 監督による音声解説版)

 昨日、ドイツからこのブルーレイディスクが届いたので早速観ることに。といっても特典映像とこの監督による音声解説版を。だからストーリーの方の字幕は少なく、監督の話し言葉の字幕が中心。まさにメイキングである。

 主役たち俳優の悪口を言う監督はまずいないだろうが、たしかに一人を除いて(アカデミー賞を受賞したばかりの俳優)役者を褒めていた。もちろんその筆頭はショーン・コネリーということになるが。

 彼はセリフを完全にマスターして撮影現場に臨む俳優だったそうだ。当たり前かもしれないが、そうでない俳優もこれまで観た映画の解説とかで読んだことがある。あと時間に遅れてくる俳優とかも。その点でもショーン・コネリーはキッチリしていたとか。

 マリア像が出てくるのだが、それは作らせたものが中世のものではなく、ルネサンス期のもので、監督は反対したが押し切られたとのこと。案の定、観客から違うではないかとの手紙が来たという。細部まで本物でないと(レプリカにせよ)ダメだと言うことだ。

 それにしてもこの監督は準備にとても時間を掛けているようだ。たしかに[子熊物語]でも時間を掛けていたと解説にあった。準備に時間を掛けるのは当たり前と言えば当たり前だが、現実には経費のこともあり、なかなか大変そうである。ともかくかなりの額のお金が掛かったそうだ。しかもアメリカでは受けなかったとのこと。もちろんヨーロッパではヒットしたとのことだが。

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