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【こんな映画でした】144.[愛と追憶の日々]

2021年11月 6日 (土曜) [愛と追憶の日々](1983年 TERMS OF ENDEARMENT XXX TERMS OF ENDEARMENT アメリカ 132分)

 ジェームズ・L・ブルックス監督作品。監督の初めての作品とのこと。シャーリー・マクレーンは撮影当時48歳くらいか。娘役のデブラ・ウィンガーは撮影当時27歳、大きな眼が特徴的だ。ジャック・ニコルソンは撮影当時45歳くらい。
 原題の「TERMS OF ENDEARMENT」の「TERMS」は「親しい関係・間柄」、「ENDEARMENT」は「愛情を示す行為・言葉」。親しい間柄での愛情ある言葉や行為のやりとり、とやや皮肉交じりの原題の意味かもしれない。あの母娘の強烈な言葉のやりとりが代表的なものだろう。愛しあっているが故、とはいえ。
 メインアイテムは母娘関係であろう。アメリカ映画では父と息子との確執を描いたものが多く見られるが、その女性バージョンか。お互い愛しあっているのに、素直になれない。むしろけんか腰になってしまうというもの。かわいさ余って憎さ百倍、ということでもあるか。

 たまたま二夜連続で、親が娘の結婚をその結婚式のギリギリのところで反対するという映画を観ることになった。昨夜は[アバウト・シュミット](2002年)で父親(ジャック・ニコルソン)が、今夜は母親(ジャーリー・マクレーン)が。そういうものなのだろうか。もちろん彼らはその経験から、それぞれの相手の男のいかがわしさを感知したからだとは思うのだが。もう手遅れなのだが。そして本人が選んだものだから、どうしようもないのだが。



2021年11月 9日 (火曜) [愛と追憶の日々]音声解説版

 二回目は監督たちによる音声解説版で。よって個々のセリフの字幕は音声解説と重なると出ないことになる。裏話や苦労話、俳優たちの演技を褒める話が多い。ただ監督によるとデブラ・ウィンガーが二日間ホテルの部屋に閉じこもったことがあった、と。つまり上手くいかなかった時があったと告白(?)している。ベテラン俳優たちでは、そういう話はなく、まずもってベタ褒めである。事実そういうことなのだろう。

 一回目で気がつかなかったことに気付けるのも、二回観ることのメリットである。些細なことでも。たとえば長男になるトミーが一瞬カメラ目線になるシーンがあった。最初は他の人たちを見ていて気がつかなかった。もうスルーしてそのままそのテイクを使ったのだろう。

 監督はこれはガンの映画で、かなりガンについて調べたと言っていた。たしかにガンで亡くなるわけだが、映画においてはそれは一つの結果というか、人生の在りようの一つである。いずれにせよガンで亡くなるというシリアスなものを、音楽やセリフでコメディタッチを加えて見やすいものにしているということだ。アメリカでは封切られてから半年間のロングランだったそうだ。

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