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【こんな映画でした】6.[怪物はささやく]

2021年 5月13日 (木曜) [怪物はささやく](2016年 A MONSTER CALLS アメリカ/スペイン 109分)

 J・A・バヨナ監督作品。初めて。スペイン人とのこと。主人公の子役はルイス・マクドゥーガルで撮影当時13歳くらいか。役柄が12歳なので。その祖母役にシガーニー・ウィーヴァー(撮影当時66歳)でこれまで何本か観ている。
母親役はフェリシティ・ジョーンズ(撮影当時32歳)、初めて。

 邦題はちょっと違うような。怪物が呼ぶ・呼びかける、ということ。後の方で、今回は私(怪物)ではなく、お前(コナー)が「呼んだ」のだと怪物がコナーに言うところがある。

 要するに主人公コナーの心の中に存在するものを比喩的に戯画化したのが、この大木の怪物である(よほど小さい子どもでないかぎり、そも実在の怪物とは思わないだろう)。彼の頭の中での怪物との対話を映像として表現する。

 怪物は3つの話がある、とコナーに言う。その3つの話というのは、まず1つ目、善人・悪人といっても表面的に区別はつかないということ。だからうっかり信じて、騙されるようなことがあってはならない、と。2つ目は、人の生き方としての「節操」の問題。そして3つ目は生きていく上で「怒り」をはき出すことの大切さ。

 コナーの話というのは、結局、最愛の母親との永遠の別れ(死)をどのようにして受け容れていくかという問題と言えよう。これはすべての人みんなが通過していかざるを得ないことだ(たとえ生まれたと同時に亡くなた場合でも)。

 原作は児童文学のようで、早速図書館から借り出して読んでみようと思う。
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このコラム「【こんな映画でした】」は。――映画を観たら、何かを感じ、何かを考えます。そんなことのメモ、――それがこのコラムです。2022年 2月


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