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【こんな映画でした】521.[田舎司祭の日記]

2020年 9月25日 (金曜) [田舎司祭の日記](1950年 LE JOURNAL D'UN CURE DE CAMPAGNE フランス 110分)

 ロベール・ブレッソン監督作品。これは分かりにくい映画ということになるか。ストーリーとしては、その題名通り日記帳にペンを走らせるシーンが何度も映像として出てくる。書きながらナレーションというか、独り言というか、その音声も流れる。

 司祭が他の人と話している時も、ほぼ同時にその時の彼の心をナレーションとして音声を流している。より複合的に描いていると言えようか。後にウディ・アレンが同様のことをしている([アニー・ホール](1977年))。

 その赴任した教区には、領主がいるというのだから、一体いつの時代のフランスなのか、と(車が走っているので20世紀前半か)。その領主の娘シャンタルは、ニコル・ラドラミルで、撮影当時20歳。

 他の司祭が彼女のことを「魔女」だと言っている。女性で自立した自覚的な生き方をしようとする人間は嫌われて、魔女とされたのだろう。それほどの田舎であるということでもある。

 この司祭の服装についてみると、仕事というか儀式の時はきちんとしたコスチュームがあるが、私服は粗末でそのセーターは破れ放題である。食事も粗末で、まさに清貧を地で行っている。やや意外な感じ。もっとも他の司祭は、きちんとした服を着て、体型もふっくらしている。

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