【こんな映画でした】53.[ナチュラル]
2022年 3月31日 (木曜) [ナチュラル](1984年 THE NATURAL アメリカ 137分)
バリー・レヴィンソン監督作品。ロバート・レッドフォード主演(ロイ・ハブス役)。女優陣はキム・ベイシンガー、グレン・クローズ。アメリカの国技といわれる野球の話。才能のある若手が、その世界に踏み込む直前に不運にもトラブルに巻きこまれ(もちろん自業自得ではあるが)、その後16年掛かって再起するという物語。
彼を陥れる二人の悪女(?)と、最初の結婚を誓った恋人の三人の女性が絡む。最終的には最初の彼女が、一夜をともにした際の一粒種の息子を連れて現れ、彼を救うことになる。
野球のシーンが出てくるが、ロイ・ハブスのホームランシーンもなかなかに映画的に面白くしてある。例えば野球場の外野スタンドにある大時計に当たり、その文字盤が割れ落ちるとか。ラストでは照明灯に当たってショートするとか。まるで花火のように延々と。
あとダーティな話としては、賭けである。そのために八百長をやらせることに。すべてはお金であり、ビジネスなのだから仕方がないことかもしれないが。
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ところで原題の「natural」だが多様な意味があり、この映画の題名として、何を指すのか。形容詞としては「自然な、自然のままの、野生の、生まれつきの、普通の、ありのままの、気取らない、飾らない、天然の、当然の、生まれつきの才能がある」といったところ。名詞としては「うってつけの人、ぴったりの人、適任者、生まれつきの才能、生まれつき才能のある人」。こちらの名詞の意味で当たっているのだろう。
一つ面白いのは、このナチュラルは音楽では「本位記号」、つまり♯か♭かした音を元に戻すという意味。つまり一旦、道を誤った主人公が元に戻るということもあるのか、と。
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