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【こんな映画でした】178.[アンネの日記]

2020年 5月16日 (土曜) [アンネの日記](1959年 THE DIARY OF ANNE FRANK 150分 アメリカ)

 ジョージ・スティーブンス監督作品。大変だった。観ていて辛くて、何度かに分けてようやく見終わる。残酷なシーンこそないが、スリルというかサスペンス映画のように、彼らとともにヒヤヒヤしながら観ることに。辛い。戦争が、そして戦争を利用しようとする国家とその取り巻きが真の責任者であり、その罪は重い。そのことをあらためて思い知らされる。

 主役のアンネは当時二十歳のミリー・パーキンス。何とも妙なキューリアスな顔の、しかし眼が大きく印象的な女の子であった。父親役のジョセフ・シルドクラウトは実際の父親フランクと雰囲気が似ていた。彼と母親役のグスティ・ユーベルは、この作品の舞台版でも出ていたとのこと。

 ピーター役のリチャード・ベイマー、撮影当時21歳は、[ウエスト・サイド物語](1961)のトニーであった。姉のマルゴット役は、ダイアン・ベイカーで撮影当時21歳、[羊たちの沈黙](1991)や[Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―]で観ているようだ。

 この映画は「アンネの日記」とはあるが、私はこの映画を観ている時、これを伝記映画のような、あるいはドキュメンタリーのような感覚では観ていなかったと思う。やはりフィクションとして、ジョージ・スティーブンス監督の製作物として観ていた気がする。

 それでいいのだと思っている。個別のことを言えば、特典映像にあったが、アンネの日記に登場する人の人物像についての異議の申し立てである。しかし日記はあくまでもアンネの主観であり、それをとやかく言っても仕方がないだろう。いずれにせよ有名になりすぎて、毀誉褒貶もひどいことになるのは致し方ない。もっとも彼女はすでに亡くなっており、知る由はないのだ。

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