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【こんな映画でした】697.[恐るべき子供たち]

2020年10月29日 (木曜) [恐るべき子供たち](1950年 LES ENFANTS TERRIBLES フランス 105分)

 ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品。ジャン・コクトー原作の映画化。姉役はニコール・ステファーヌ、撮影当時26歳。弟役はエドアール・デルミ、撮影当時25歳。

 見始めはこの姉弟の姉弟喧嘩ばかりが目について、これは一体何という映画なのだろう、と。おいおい、ようやく姉の弟に対する偏愛・妄執の為せる業かと分かってくるのだが。それにしても凄まじいものがある。

 どうしてあそこまで姉は弟のことを世話を焼くのだろうか。親子間の愛情の問題など複雑なものがあったのだろう。最後に母親も亡くなり、姉弟二人になってしまったから、よけいその状況が厳しくなっていったのかもしれない。

 姉は結婚することになるが、その相手がピアノの弾き語りで歌う歌詞の内容がまた意味深であった。案の定、まもなく交通事故死してしまい、彼の莫大な財産を姉が受けつぐことになる。そもそもこの結婚は、弟のためのものであったのだろう。

 その弟の愛情がアガートという別の女性に移りかけた時、姉はそれを失わないために画策して、結局みんなが不幸になっていく。何とも。

 解説には「母を亡くして、姉弟二人だけで暮らす閉ざされた世界から、大人にならざる得なくなったときに起こった悲劇……。ジャン・コクトーの原作による思春期の少年少女の心の脆さを描いた作品。」とある。

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