見出し画像

【こんな映画でした】532.[シェルブールの雨傘]

2020年12月21日 (月曜) [シェルブールの雨傘](1963年 LES PARAPLUIES DE CHERBOURG THE UMBRELLAS OF CHERBOURG フランス 91分)

 1973年に映画館で観た以来、47年振りに観ることとなった。忘れていても当然だが、音楽だけはしっかり頭にあるので久しぶり(?)でも違和感はない。それにしても全編、ミュージカル風というか、セリフのやりとりは歌でやるのだからすごい。

 そしてラストシーン。やはりと言うべきか、身体が震えた。演出はあっさりしていて、粘っこくない。ドライだ。こんなラストだったのだなと、あらためて思った。

 ジャック・ドゥミ監督作品。[ロバと王女]は知っていたが、それ以外ではあまり知らない。また観る機会もあまりないようだ。ちなみに調べてみるが、なかなかソフトがない。楽天で「新品北米版Blu-ray!【ハメルンの笛吹き】 The Pied Piper [Blu-ray]!<主演ドノヴァン/監督ジャック・ドゥミ>」というのがあったが、もちろん字幕も英語である。また、おいおい探してみよう。

 この中で一つ今回気がついたことに、アルジェリアの問題がある。つまり当時のフランスには二年の兵役があり、彼はアルジェリアに連れて行かれる。必然的に、彼女との結婚は二年は先送りになるわけだ。さらに悪いことに彼は負傷し、一時は行方不明ということで、彼女は彼を諦める要因になったようだ。そして、もちろん妊娠していたこともある。

 フランスという国は超保守国であり、植民地支配においては他のイギリスなどと同様に過酷・熾烈な支配を貫徹していたということだ。その植民地支配による利益がフランスの繁栄をもたらしていたということだろう。

 戦争に行った兵たちのトラウマは、ここでもサラッとだが描いてある。悲恋物語と言いつつも、反戦映画でもあるか。まずは徴兵制が、その前に植民地支配があったことが、多くの不幸の原因なのだ。

 さてカトリーヌ・ドヌーヴだが、撮影当時18歳で顔がやや細く頬骨が張っており、まだまだ美女というには物足りなさを感じた。もちろんそれは今、観て思うわけだが、23歳当時の私には衝撃的だったかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?