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【こんな映画でした】427.[若草物語](1949年)

2022年12月21日 (水曜) [若草物語](1949年 LITTLE WOMEN アメリカ 122分)

 マーヴィン・ルロイ監督作品。ジョーにジューン・アリソン(何と撮影当時32歳)、長女メグはジャネット・リー(撮影当時22歳、1958年の[黒い罠]で観ている)、三女ベスをマーガレット・オブライエン(撮影当時12歳、1948年の[十番街の天使]では主役、また1960年の[西部に賭ける女]で観ている)、四女エイミーをエリザベス・テイラー(撮影当時17歳、すでに光るものが感じられる)。

 彼女たち4人を客観的に見ていると、メグはいいとしても、ジョーは年がいきすぎているし、ベスとエイミーはどうみても年齢は逆転している。それでもたしかに良いキャスティングだとは思う。

 すでに観ているジリアン・アームストロング監督、ジョーがウィノナ・ライダーの[若草物語]との大きな違いは、ベスがジョーの原稿を燃やすシーンがなかったこと。これはどうして省いたのかな、と。そもそも原作にはなかったのかもしれないが。原作も改訂版が出されているようなので、いろいろなバージョンがあるのかもしれない。

 これで[若草物語]の映画は3種類観てきたが(もう一つはグレタ・ガーウィグ監督、シアーシャ・ローナンがジョー)、いずれにせよアメリカという国の思想・理想を体現しているものだろう。それと気になったのは男性、中でも父親の存在の希薄さである。もちろん四姉妹の話だから、勢いそのようになるのかもしれない。ただ実際のオルコットの父親は、最終的に家庭を顧みなかった人だったそうだ。ある種の理想主義者で。

 そんなことなので彼女の実際の家庭は、貧苦に苦しんでいたようだ。だからこそ逆にこの小説のような理想像を描き出すことになったのだろう。悲しい事実である。得てしてそんなものなのだろう。それでもこの小説と、それによる映画の魅力は、不易だろう。

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