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【こんな映画でした】419.[にがい米]

2021年 4月23日 (金曜) [にがい米](1948年 RISO AMARO イタリア 104分)

 「イタリア映画コレクション にがい米」の一枚。ジュゼッペ・デ・サンティス監督作品。初めて。ただルキノ・ヴィスコンティの[郵便配達は二度ベルを鳴らす](1942)で脚本を担当していたようだ。

 解説には「主演:ドリス・ダウリング、シルヴァーナ・マンガーノ。強盗犯の情婦フランチェスカは、水田地帯行きの出稼ぎ女性の専用列車に紛れ込み、知り合ったシルバーナに誘われるまま農場で働くことに……。当時18歳のマンガーノの官能的な肉体美に悩殺必至!」、と。

 たしかに目立つのはシルヴァーナ・マンガーノ、撮影当時18歳。後のルキノ・ヴィスコンティの映画で観ている。[家族の肖像](1974)・[ルードウィヒ/神々の黄昏](1972)・[ベニスに死す](1971、タジオの母)。そして[アポロンの地獄](1967)でも。

 全体として主役はやはりドリス・ダウリング、撮影当時25歳。[失われた週末](1945)では最初の方の酒場で、主人公のアル中・バーナムと話している。

 北イタリアでの米作地帯が舞台で、周辺の地域から出稼ぎの女性ばかりが集まってくる。機械化されてない時代の人海作戦での作業。相当にキツそうで、男ではとてもできないとナレーションがある。それにしても女性の逞しさを描いた映画とも言える。

 ドキュメンタリーではないので、ちゃんと映画を引っ張るストーリーもある。謂わばお定まりの悪い男と、それに惹かれる若い女、元愛人の三角関係である。そんな男の末路はやはりハッピーエンドにはならない。

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