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[詩]野良猫の幸不幸
人の住んでいた時期も知らない
そんな空き家に猫がいた
慈しみをもって子を見守り
怒りをもって人に威嚇する親猫
勝手気儘な不平等に劣等感が溢れても
私は無関心な平静を装った
怒声は愛を知らないし
愛は居場所を知らない
どうあがいても不運や不幸が襲うだろうが
それもたいした問題ではないのだろう
羨ましくないのに
羨ましいと思うのは
人にしか抱けない不幸なのだろう
[詩]言葉に寄せる生き様
暑くて 悲しくて
痛くて 汚くて
煩くて 苦しくて
………… …………
愚かで 滑稽で
日々 言葉で遊んで遊ばれて
日々 感情と遊んで遊ばれて
得ることも 得ないことも
充実していると思うのは
たった一人 人の身で
遥かそらを思うよりも はるかに度し難い事
そうであって そうでなければ
恥辱と苦難に満ちた 王道も邪道も歩けない
日々 言葉で遊んで遊ばれて
日々 感情と遊んで遊ばれて
日々 ただお
[詩]端切れのほこり
端切れの塊を
一針ずつ縫っていくような 子供の悪ふざけ
作る様子も 出来上がった物も
とても見てなどいられない
誇りをもって作ったつもりでも
そんな稚拙な行いだから
到底誰かを暖めうる布など出来はしない
いつか何かの役にも立つかもと
部屋の隅に追いやって
埃を被った頃に救い上げて
懐かしさと恥ずかしさに身をよせる
その繰り返しは自己満足の営みだけど
どこかで誰かの笑い者になれているなら
ほこりにま