晩夏の向日葵
お盆を境に空気が一変した。
連続した猛暑日も終わり、時折小雨も混じる不安定な初秋。
雨の中も最後の命を振り絞るように鳴いている蝉が物悲しい。
映画『ひまわり』、ツールドフランスの沿道の『ひまわり』。
どこまでも続く向日葵畑。
路地や畑の脇に咲く一本の大きな向日葵。
向日葵の花が夏の象徴であると共に誰もの心に残るのは、人ほどほどの背丈と丸い花が、人型のように見えるからかもしれない。
随分大人になった今、燦々と夏の陽を浴びる向日葵よりも、初秋の枯れ始めた種になりかけの向日葵がいいなと思う。
出来始めた種をクローズアップで撮影する。
種の種の並びは、フィボナッチ数列。
美の比率、黄金比にも通じる生命の不思議。
この螺旋は、目がまわりそうだ。
花が終わると種の重みもあるが、俯いて種が雨に濡れないように守る。
最後まで逞しく次の命を繋いでいる。
『終わりは、始まりなの。』と言っている。
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