見出し画像

春の花は砂糖菓子 私の花選び

先週、また今年も花のデザイン製作と撮影の仕事が始まった。

春の花は、まるで砂糖菓子。
パステルカラー。
花びらが薄くて、壊れそうで、ピュア。
今の自分に足りないものが溢れ出ているなあと、花を束ねながら苦笑する。

パンジー、ラナンキュラス など

戦後フラワーデザインが海外から入って、様々な花のトレンドを経て、現在のお花屋さんでは、こういったお花いっぱいのデザインが主流となっている。
花同士の間隔が近いこのようなデザインでは、『色合わせ:カラーリング』が主要となり、色中心で合わせていく。
しかし、時折『花の植生や季節感』をあまり考えないような色だけの花の取り合わせを街角や写真で見かけては、ひとりモヤモヤする。
つまり『夏の花と春の花を混ぜる』、というような感じ。

今や海外から空輸や、温室栽培も発達したので、『裏の季節の花』も容易に手に入る現代ならではのこと。今更否定しても仕方ないのだが、季節感が失われるのは悲しいものである。
だから、せめて自分だけでもそこは注意して花を選ぶようにしている。
同じ季節の花ならば、色がカラフルでも、枝と草花でも違和感なく馴染む。

チョコレートコスモス、ラナンキュラス、

バレンタイン用に『チョコレートコスモス』を使ってアレンジ。
茶色のチョコレートコスモスが欠品だったので、当初の計画より少々色のバランスを替えて『赤』のチョコレートコスモスを添えた。

しかし、チョコレートコスモスは繊細なので、あまり触らず、シンプルに飾る方が長持ちするし、『揺れるように』いけた方が『らしさ』がでると私は思う。
デザインしなくてはならない立場にありながら、『デザインしない』という選択肢も、花によっては必要かと最近は作例として紹介している。

チョコレートコスモス

『ミモザのリース』はSNS映え。
だから、ミモザは数年前よりこの時期は引っ張りだこ。
ミモザって、部屋に飾るとパラパラ落ちるし、花粉症には辛いのに、みんな大丈夫なんだろうか、と実は毎年思うところである。

今年は、スノーフレイクとチューリップでブーケを製作した。
当日入荷したスノーフレイクがあまりに短かったので小さなブーケとなってしまった。

ミモザ、チューリップ、スノーフレイク

『花は自然の生き物』だから、その時々で状態が違う。それに合わせてデザインも替えながら一番納まりの良いところを見つけていくことが楽しいと思う。

しかし、現代は『ネタバレ』を見ないとドラマが見れない、という人も多いらしく、同じように花を教えていても『想定外』に対する対応力が狭くなっているような気もする。
また、例え栽培されたものであっても、それぞれ花のつき方や枝の流れ、向きが違い、個性的。大袈裟に言えば、全員マイノリティー。
だからこその楽しみがある。

ムスカリ芽出し球根

こちらは、伸び切ってだらんとしてしまうムスカリの芽出し球根は、それそれよりも背の高い器に入れてしまうと良いのでは、という提案。

まずはデザインありきではなく、それぞれの個性をを活かしながら、一つのストーリーになるデザインを目指したいと思っている。


こちらで紹介したお仕事は以下のサイトでご覧いただけます。
はなどんやアソシエ 近藤しょうこのうきうき花レシピ
https://www.hanadonya.com/magazine/category/hanarecipe/ukiuki

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?