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国立を訪ねて

先週、旧友と母校のある街を久しぶりに訪ねた。
『是非次はここで会おう』と決めていた。しかし、ここ数年の騒動でついに〇〇周年の今年まで延び延びとなってしまった。自宅から電車を乗り続いて、約2時間の道のり。隣の県なのにこんなにも遠いなんて。

新しいJRの駅はかつての長閑な趣はなく、高架工事で刷新されてしまったが、旧国立駅舎は駅の外に解体された後再築された。現在は『国立市指定有形文化財』となり、駅ピアノなども置かれ、行き交う人々のちょっとした憩いのスペースになっている。

旧駅舎内天井
旧駅舎展示室

大正15年開業の木造の駅舎は、その当時はとても先進的だっただろう。
赤い三角屋根、ドーマー窓(屋根窓)、浴場窓(半円アーチ窓)、レールの柱、等々。学生時代には当たり前過ぎて、全くその素敵さやありがたみに気づいていなかったことを後悔する。
こうして沢山の方のご尽力により、再築されたことをとても嬉しく思う。

レールの柱

駅ロータリーに出て、全体を撮影。
『むむむ、何か物足りない』と思うのは、旧駅舎に国立駅のロゴがないからだ。今はもう駅でないのロゴは付けられないらしい。昔のカクカクとした『国立駅』の文字が懐かしい。

新旧国立駅

今回の待ち合わせは、駅から2分、小路地を入った場所にある懐かしの『ロージナ茶房』。忌野清志郎さんの聖地でもある。
まずは外観から取材。年紀の入った木造のドアや窓、多分、殆どう動いてないであろう雑然としたディスプレイに引き寄せられる。

ロージナ茶房
外観
メニュー

待ち合わせ一番にたどり着いたので、待つ間に店内も撮影。
全てに昭和の空気が漂っている。

店内椅子
天井照明

そして友人たちも順に集まり、お食事開始。
窓の外を見るとあっという間にお客様の行列ができていた。
厨房からはひっきりなしに無しに料理が運ばれ、大忙しだ。

お店のレビューで『量が多い』という話を聞いていたので、名物の『ザイカレー』と『昔風ナポリタン』、サラダをとりあえず注文。
辛口のザイカレーは水分が必要。大人になった今は、アルコールも進む。

辛い『ザイカレー』
昔風ナポリタン

その後は、満腹になりつつ話に夢中になってしまい、取材はここまでとなってしまった。

学生時代ここで何かの打ち上げをした話。今となってはクラスの誰がここを選んだのか、随分大人だったわよね、とか。トイレの先の階段を降りると畳張りの地下があって、知ってた、知らなかったわ、等々。
外で待つお客様の行列を見ながら、話は尽きなかった。

名物のプリンと珈琲までいただきたいところをぐっと堪え、流石に気が引けてきたのでお店を後にした。
大学通の銀杏は今や見頃。

いやはや、旧営舎同様こんなに素敵な通学路だったことに今更ながら気がつく。また、ロージナ茶房さんの『ロージナ』という言葉は、『故郷』という意味だったことも。

大人になって『故郷』を訪ね、改めてその良さに気づくことは多い。
時間の重なりを感じることは素敵なことだ。

大学通


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