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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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#桜

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

今年のサクラ

ユーミンがポッドキャストの『うそラジオ』にて、『身近にある桜を自分の桜と決めて、毎年見つめ続け、自分とリンクさせるとまたいいですね』と語っていた。 確かに、『花見』と称して晴れやかにお出かけするのもいいけれど、日々の定点観測の方がより『去年の自分はこうだった、とかあの年は。。』と思いが深まるもの。 今年は、もう4月半ばかと勘違いするほど暖かく、関東でも北国の春のように一斉に春の花が咲き始め、やや戸惑いがち気分、気持ちが少し遅れてついていっている。 という訳でライカを持ち出す

時々、color film

4月に入り、ようやく落ち着いた時間が取れるようになり、これまで撮ってきたフィルム写真を整理している。 私のLeica M4と所持レンズは、ちょうどカラーフィルムが出始めの頃の製造年。カラーフィルムにもなんとか性能が発揮できるかなと思い、一昨年までは、モノクロフィルムだけでなく、カラーフィルム(主にKodak portra 400) でも時折撮影していた。 しかし、思うところあって、昨年は、Kodak Tri-X 400だけであえて撮影した。 久しぶりに、改めてカラーフイル

モノクロの桜

桜はそれだけ誰にとっても忘れられない花。 特に日本人にとって、この季節の過去の記憶と結びつくことが多いからだと思う。 私は、歴史ある小学校の校庭で、桜が散り始める4月、思いっきり花吹雪の下で漕いだブランコのことが今も忘れられない。 そのブランコは、休み時間には走って行かなくてはいけない程、人気だった。 あれ以上、素敵な桜には多分もう会えないと思う。 大人になった今では、あの頃の透明な気持ちは何処かへ忘れ、毎年段々複雑になる気持ちを抱えて写真を撮っている自分がいる。 先日