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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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2022年2月の記事一覧

シュールな黒い花

私は、白い花が好きだ。 年間を通じて多く撮影している。 特に花弁が透けるような白い花。 それは、逆光で撮るとその質感がよく見えてくる。 堅そうな花弁なのか、今にも壊れそうな花弁なのか。 触れてみたいと思わせる。 では、黒い花。 厳密に言うと真っ黒な花はない。 大体が黒に近い濃い茶色か濃い紫。 撮影すると大抵黒潰れする。古いフィルムカメラだと特に調整不能。 輪郭しか残らず、なんだかわからなくなる。 でもあえて撮ったままにしておく。 ちょっとシュールで、惹かれてしまうから。

色彩のない季節を撮る

写真で季節、時間の流れを表現する場合、光の強さや弱さ、柔らかさ硬さなどの要素は欠かせないと思う。 私は、デジタルカラーで室内で花を撮影するときも間接照明は使わない。その季節には、その季節なりの光の要素を持っていて、季節の花はその光の下で生かしたいと思っているから。 特にモノクロになると、色彩の要素がなくなった分、そこが現れているかどうかが、後々自分のお気に入りの一枚になるかどうかの判断基準としている。 今日は、彩りの少ない2月の季節写真をいくつかご紹介。 2月の夕暮れ

LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし