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【謎解き小説】野良猫ホームズ

ワタシは野良猫ホームズ。
三毛猫じゃあないよ。立派なキジトラさ。

いつも事務所に舞い込んでくる依頼を華麗に解決しているのさ。
(助手たちがコメント欄に答えを書き込んでくれているのは秘密だよ)

さてさて、今日はどんな難解な事件が待っているかな。

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「ホームズ、どうしてもわからないことがあるんだ」
事務所のドアを乱暴に開けて、野うさぎのピートが飛び込んできた。
「おや、ピート。そんなに大きな声を出してどうしたんだい?」
ホームズは椅子に深く腰掛け、ヒゲをつまみながら尋ねる。

「聞いてよ。歩行者の信号無視が最近ひどいって苦情が警察署に入ったらしくて、事実調査のために実際の信号無視の件数を調べる依頼を受けたんだ」
「ふむふむ、それで?」
「そしたら地域内の幾つかの信号機だけ、明らかに信号無視の件数比率が少ないことがわかったんだ」
「へえ、それはとても興味深い」
「通行量と信号無視の件数で比率を出してるから、明らかに通行量が少ない場所だからって話ではないんだよ」
ピートは長い耳で目を覆い隠すようにして唸っている。
「面白い、その信号無視が少ない信号機に案内してくれないか?」
「協力してくれるのかい、ホームズ。ありがとう」
ついてきて、と言うとピートは勢いよく事務所を飛び出した。
「やれやれ」
ホームズは茶色いハットを被り、樫の木で作った杖を取り上げると、ひらりと外套を翻してピートの後を追った。

「ふむ、どうやら少し犬臭いな」
ホームズは辺りを見渡す。
「ホームズ、こっちだよ〜」
杖を振って、優雅に歩くホームズをピートが大袈裟な仕草で手招きする。
「この信号機だよ」
特に何の変哲もない信号機。
「何も特別な感じはしないな。赤信号の時間が極端に短いなんてことも無さそうだし」
しげしげと信号機を観察し、周囲の景色をぐるりと観察した後、ホームズは1つ頷く。
「よし、次の信号に案内してくれ」

そうしてホームズとピートは他に3つの信号機を見て回った。
どの信号機でもホームズは同様に観察し、ふむふむと頷いていた。

「これで全部だよ」
ピートがホームズに言った。
「なるほど、謎は解けたよ」
ホームズがハットを外してにっこりとピートに笑顔を向けた。
「すごいや、ホームズ!一体どういうことなんだい?教えておくれよ」
「それでは真相を…」
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今日の事件も見事に解決。
ピートはとても喜んでいたね。

なぜ謎が解けたのかって?それは優れた観察眼と推理力の賜物さ。

ああ、次の謎が待ち遠しい。
またたび茶でも飲んで待つとするかな。

それではみなさん、また新たな謎で。

真相が気になる方はコメント欄を覗いてください。

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