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【ショートショート】ダンジョンの奥深く

勇者の僕が率いる冒険者パーティーは凶悪なモンスターが暴れまわる洞窟の奥深くまで冒険を進めていた。
ここまで地下深くなってくると、出て来るモンスターも強力なものになり、いままでの武器が通用しなくなってくることも出てきた。ミミックが出て来る宝箱を上手く避けながら、新しい武器を手に入れなければならない。それにトラップにも注意が必要だ。あの手この手で仕掛けてくる。

突然、洞窟の天井が崩れ落ちてきた。
僕たちは砂に埋まってしまう。
しまった! いよいよここまでか……。
そう思った時、ふと、遠くから声が聞こえてくる。
「……よ……えるわ……かえるわ……かえるわよ……」



そこでぼくは引き戻される。



「ほら、もうおうちに帰るわよ。今日のお昼ご飯はお子様ランチよ」
ぼくは砂場のトンネルに突っ込んだ勇者に見立てたソフビ人形を掘り出すと、ママの所へと駆け出した。


お題:【洞窟の奥はお子様ランチ】のお題で【冒険小説風】


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