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SADと対人恐怖症

仕事などで人前に出て、プレゼンや講義などをしたこと、ありますか?
わたし? あるんですよ(汗)医療職をしていた頃ですけど。
毎週のように講義をしていました。小さなグループだと10人程度。大きな場になると50人を超えてたと思います。
決まった資料がある講義もありますが、一から資料を作って、どんな反応が出るか分からないものもありました。約一時間の講義です。

わたしは大勢の前で話すのは苦手です。とはいえ、何度も繰り返しているうちに慣れてはきました。しまいには図々しくなって、後ろで聞いているドクターに話を振って喋らせていました(おい)

趣味が陶芸なのですが、地域活動で講師を頼まれたこともあります。10人程度に平皿を作ってもらいました。ひとりに教えるのと、一度に10人に教えるのは勝手が違いますね。バタバタしました(笑)

今回はこんな状況が苦痛な人たち、社交不安障害や対人恐怖症について触れてみたいと思います。



社交不安障害にはどんなものがありますか

社交不安障害、または社会不安障害(SAD)は、人と話すことや人が多くいる場所に強い苦痛を感じる不安障害の一種です。この障害は、人前での行動やパフォーマンスに対する過度の恐怖や不安を特徴としています。

社交不安障害には主に以下のような症状があります。
 ①人前で話す、発表する、プレゼンテーションを行うことへの強い恐怖。
 ②大勢の人が集まる場所や人目に触れる場での飲食に対する不安。
 ③電話対応や人との雑談など、日常的な対人関係での緊張。
 ④赤面、動悸、息苦しさ、手足の震えなどの自律神経症状。

社交不安障害には2つのタイプがあります。
 ①パフォーマンス限局型: 特定の社会的状況(例えば、公の場でのスピーチやパフォーマンス)に限って強い恐怖を感じるタイプです。
 ②全般型: ほとんどの社会的状況において恐怖や不安を感じる状態で、日常生活に広範囲にわたる影響を及ぼします。

治療方法としては、薬物治療や認知行動療法などの心理療法があります。薬物治療では、セロトニンのバランスを整える抗うつ薬が用いられることが多いです。認知行動療法では、不安を引き起こす考え方や行動パターンを変える訓練を行います。

対人恐怖症にはどんなものがありますか

対人恐怖症は、他人との対面時や社会的な状況において、過度の不安や恐怖を感じる精神障害です。これにはさまざまな形があり、以下のようなものが含まれます。

①自己視線恐怖
自己視線恐怖症は、自分の視線が他人に不快感を与えるという過度な心配や恐怖を感じる状態を指します。これは対人恐怖症の一種であり、社交不安障害の症状の一つとして現れることがあります。
この症状は、自分の視線が相手に対して不快感を与えると考えたり、自分の視線が鋭すぎる、きつすぎる、いやらしいなどの悪しきイメージを持ってしまい、その視線が他者に悪影響を与えることへの恐怖感を訴えるものです。

②赤面恐怖
赤面恐怖症、または赤面症は、他人の目が自分に向けられることによって起こる恐怖感を特徴とする社交不安障害の一種です。この症状は、顔や首の赤み、発汗、動悸、吐き気などの身体的な反応とともに現れることがあります。
赤面恐怖症の人々は、自分が他人に注目されることや、自分の行動や発言が他人に笑われることを恐れる傾向があります。日本では、この型の神経症が他国より多いとされています。

赤面症の主な問題は2つあります。
 ①緊張すると自律神経のうち交感神経が活性化し、顔の血管が拡張して赤面します。
  ②赤面することによって「他者から悪く思われるのではないか」という不安や恐怖が生じます。

赤面症は、対人場面で過剰に緊張してしまい、顔が赤くなることに対して強い苦痛を感じる状態です。これにより、人と接するのを避けたり、社会生活に支障をきたすこともあります。

③対人交流恐怖
対人交流恐怖は他人との交流に関する過度な不安や恐怖を感じる状態を指します。これは社交不安障害(SAD)の一症状として現れることがあります。

対人交流恐怖を感じる人は、以下のような症状を経験することがあります。
 ①他人との会話や交流が困難であると感じる。
 ②人前で話すことや、注目を浴びることに対して強い不安を持つ。
 ③他人からの評価を過度に恐れる。

これらの症状は、日常生活や仕事において大きな障害となり得ます。例えば、会議での発言や、社交的なイベントへの参加が極めてストレスフルになることがあります。

④注目恐怖
注目恐怖とは、他人からの注目を集めることに対する過度の不安や恐怖を感じる状態を指します。これは社交不安障害(SAD)の一症状として現れることがあり、特に人前でのスピーチやプレゼンテーション、あるいは何かのパフォーマンスを行う際に強い緊張や恐怖を感じることが特徴です。

注目恐怖を感じる人は、以下のような症状を経験することがあります。
 ①人前で話すことや、注目を浴びることに対して強い不安を持つ。
 ②失敗して自分が恥をかくのではないかという心配や強い不安を感じる。
 ③顔が赤くなる、心臓の鼓動が速くなる、手足が震えるなどの身体的症状。

注目恐怖は、日常生活や仕事において大きな障害となり得ます。例えば、会議での発言や、社交的なイベントへの参加が極めてストレスフルになることがあります。

⑤対人評価恐怖
対人評価恐怖は、他人からどのように見られているか、どのように評価されているかに対する過度の心配や恐怖を感じる状態です。これは社交不安障害(SAD)の一症状として現れることがあり、特に人前での行動やパフォーマンスに対する恐怖が特徴です。

対人評価恐怖を感じる人は、以下のような症状を経験することがあります。
 ①他人からの批判や否定的な評価を受けることへの強い恐怖。
 ②他人によって評価される状況での緊張や不安。
 ③他人の前で恥をかくのではないかという心配。

このような恐怖は、日常生活や仕事、学校などのさまざまな場面での対人関係に影響を及ぼすことがあります。例えば、仕事でのプレゼンテーションや学校での発表、さらには友人や家族との会話においても、不安を感じることがあります。



対人恐怖症の克服方法はありますか?

対人恐怖症の克服にはいくつかの方法があります。以下に、一般的な克服方法をいくつかご紹介します。

  1. 認知行動療法 (CBT): 不安を引き起こす思考パターンを特定し、それらをより現実的なものに置き換える訓練を行います。この療法は、不安を和らげ、社会的な状況に対する反応を変えるのに役立ちます。

  2. 露出療法: 恐怖を感じる社会的状況に徐々に慣れるように、計画的に露出する療法です。これにより、恐怖を感じる状況に対する耐性を高めることができます。

  3. リラクゼーション技法: 深呼吸や筋肉のリラクゼーションなど、不安を感じたときに落ち着かせるための技法を学びます。

  4. 薬物療法: 抗不安薬や抗うつ薬など、不安を和らげるための薬を使用することがあります。これらは医師の処方により利用されます。

  5. サポートグループ: 同じような問題を抱える人々とのグループに参加することで、経験を共有し、互いに支援し合うことができます。

  6. 自己助助プログラム: 自宅で行うことができる、書籍やオンラインプログラムを利用した自己助助法もあります。

対人恐怖症の克服は、個人の状況や症状の程度によって異なるため、自分に合った方法を見つけることが重要です。また、専門家の指導のもとで治療を進めることが、効果的な克服につながります。もし、対人恐怖症に関して心配事がある場合は、心理カウンセラーや医師に相談することをお勧めします。


対人恐怖症を自己診断する方法はありますか

対人恐怖症の自己診断には、いくつかの方法があります。以下に、セルフチェックに役立つ一般的なステップをご紹介します:

セルフチェックリスト 対人恐怖症の可能性を点数化するための簡単なチェックシートを使用します。これには、日常生活での不安や恐怖を感じる状況に関する一連の質問が含まれています。例えば、「初対面は大丈夫だが二回目以降が苦手」「同年代の人と話すのが苦手」「2人きりなら話せるが3人以上になると話せない」などの質問に答えることで、自分の状態を評価することができます。


診断基準の確認
 DSM-5やICD-10などの診断基準を参考にして、自分の症状が対人恐怖症の診断基準に合致するかを確認します。これには、他人から注目される状況での恐怖や緊張、他人から悪く思われることへの恐怖、恐怖や緊張が6ヶ月以上続いているかどうかなどの項目が含まれます。

心理検査 社交不安障害や対人恐怖症に特化した心理検査を行うことも有効です。これらの検査は、不安や恐怖の程度をより詳細に評価するために設計されています。

これらの自己診断方法は、あくまでガイドラインとしての役割を果たし、正式な診断ではありません。もしセルフチェックの結果、対人恐怖症が強く疑われる場合は、精神科や心療内科を受診して専門家の診断を受けることをお勧めします。



社交不安障害(SAD)と対人恐怖症の違いはなんですか

社交不安障害(SAD)と対人恐怖症は似ているように感じられるかもしれませんが、いくつかの違いがあります。

社交不安障害(SAD)は、社会的な状況全般に対する強い不安や恐怖を特徴としています。これには、人前で話すこと、集団での活動、会議やパーティーなどの社会的イベントへの参加が含まれます。SADの人々は、他人に評価されることや恥をかくことに対して過度に心配し、これが日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

一方で、対人恐怖症は、特定の対人関係における不安や恐怖に焦点を当てています。例えば、自己視線恐怖症や赤面恐怖症など、特定の状況や行動に対する恐怖があります。対人恐怖症の人々は、特定の社会的状況や行動に対してのみ強い不安を感じることが多く、それ以外の状況では比較的快適に感じることがあります。

つまり、社交不安障害はより広範な社会的状況に対する不安を伴い、対人恐怖症はより特定の対人関係に関連する不安を伴うという違いがあります。


***わたしの場合は、強制的に露出療法(恐怖を感じる社会的状況に徐々に慣れるように、計画的に露出する療法)をやってた感じですね(汗)
早いうちに失敗して「てへぺろ」が出来れば上等。笑いを取れたら、こっちのもん。
なんて思えたのは40代も半ばになってからです。若いころは失敗して恥をかくことに途轍もない恐怖を感じていました。
経験を積んで、図太くなれたのかもしれないです。
たぶん(笑)