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モロー 魔性の女への恐れと愛情

今回はギュスターヴ・モロー。
1826年4月6日にフランスのパリで生まれ、1898年4月18日にパリで亡くなった象徴主義の画家です。
山田五郎さんのチャンネルでは、モローは魔性の女を描いていたのにある日を境にそれをパッタリやめてしまった謎が語られていました。
モローの家はお金持ちで、彼はいわゆる引きこもり。身体も丈夫ではなかったそう。

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彼は聖書や神話を題材にした幻想的な作風で知られており、19世紀末の「世紀末」の画家や文学者に多大な影響を与えました。
モローは印象派の画家たちとほぼ同時代に活動し、聖書やギリシャ神話を主な題材として、想像と幻想の世界を描き出しました。
彼の代表作には「オイディプスとスフィンクス」、「オルフェウス」、「出現」、「イアソン」などがあり、これらの作品はオルセー美術館やメトロポリタン美術館などに所蔵されています。
また、モロー美術館には彼の多くの作品が展示されており、彼の芸術的遺産を今に伝えています。
モローは象徴主義を代表する画家として、後のシュルレアリスムにも影響を与えたとされています。彼の作品は、伝統的な主題を独創的かつ幻想的な表現で描いたことで高く評価されています。

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出現

「出現」はサロメを描いたモローの代表作です。

サロメの母親は国王の後妻に入りました。サロメはお祝いの席で見事な踊りを披露して国王に褒められ「なんでも欲しいものをあげよう」と言われます。その時に彼女の母親が耳打ちします。「ヨハネの首が欲しいと言いなさい」。サロメは母親の言った通りに国王に要求します。「ヨハネの首が欲しいです」。国王は大勢の前でなんでもあげると言った手前、もう断ることが出来ずにヨハネの首をはねさせ、それをサロメに与えます。

子供が蟻を潰すような、無自覚な残虐性。
サロメは男性を破滅に導く「ファム・ファタル」として描かれ、「出現」は象徴主義における重要作品となりました。

彼の作品「サロメ」は、サロメが洗礼者ヨハネの首を要求するエピソードを描いており、サロメの魅力的な「性」を駆使して男性を屈服させる姿が表現されています。この作品は、男性が持つ去勢恐怖を美的に表す意図があるとも言われています。
モローの「サロメ」は、象徴主義の美術における重要な作品とされ、その後のシュルレアリスムや現代美術にも影響を与えたと考えられています。

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彼の人物像については、芸術に対する深い情熱と、緻密で精緻な作品へのこだわりが伝えられています。モローは、建築家である父ルイ・モローと音楽が好きだった母ポーリーヌのもとで育ち、芸術に恵まれた環境で成長しました。特に母親に対しては深い愛情を持っており、「この世で最も大切な存在」と表現していたとされます。
また、彼は体が弱く、若い頃から素描をして遊ぶことで芸術の世界に親しんでいました。その後、エコール・デ・ボザールで学び、イタリアでの留学経験もあり、ロマン派の画家たちからも影響を受けています。彼の作品は、その時代の芸術や文学に大きな影響を与え、今日でも多くの人々に愛され続けています。

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母親とモローの写真

この写真。向かって左はモローの母親。右はモロー。
山田五郎さんが話してたけど、ん? って思いませんか。普通だったら右側には父親だろ? って。

父親が亡くなった後、モローは母親と二人暮らし。恋人はいたけど結婚はしていない。母親は途中から耳が聞こえなくなって外出をしなくなったので、モローが世話をしつつ一緒に暮らす形になったわけ。
上の写真は、父親の位置に自分を置くというモローの複雑な心境を表している。エディプスコンプレックス的な。

モローは中年になってからもずっと母親と暮らし、たまに絵画をコンテストに出すけど頑張って稼ぐ必要もない。しかし財布の紐は母親が握っていて、お小遣い制。いつも何を買うのか、何に使ったのかと問われていたそう。

長く聖書やギリシャ神話を主な題材としていたモロー。しかしあることをキッカケにガラリと変化した。
母親が亡くなったのだ。
その後のモローは悲しみもあったことだろうが、まるで憑き物が落ちたように、しがらみから解放されたように、画題が変化した。

ギュスターヴ・モローは、母親の死後、彼の作品に大きな変化が見られました。彼の画題は以前は歴史画や神話画が中心でしたが、母親の死後はよりメランコリックなテーマを扱うようになったと言われています。特に、彼の長年のパートナーであったアレクサンドリン・ドゥリューの死後に描かれた作品「パルクと死の天使」は、深い悲しみと喪失感を表現しており、モローの作風における感情的な深みを示しています。

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山田五郎さん曰く、モローにとっての魔性の女は母親だったのではないか、とのことだった。
愛情としがらみへの嫌悪。相反する感情を持つ相手。いい意味でも悪い意味でも、切っても切れない関係。
モローは恋人にも先立たれた。最後まで母親の支配を嫌悪しながら甘んじていたし、また求めてもいたのだろう。

ファム・ファタール(仏: femme fatale)(或いはファム・ファタル)は、男にとっての「運命の女」(運命的な恋愛の相手、もしくは赤い糸で結ばれた相手)というのが元々の意味であるが、同時に「男を破滅させる魔性の女」のことを指す場合が多い。
相手が魅惑的であることを示す言葉に英語では「チャーミング (英語: charming)」という言い回しがあるが、ここには魔法や呪いに通じる意味合いがある。日本語においても「魅」の漢字は「魑魅魍魎」といった怪物の意味合いでも用いられている。フランス語であるファム・ファタールも同様に両義性が含まれている。

Wikipedia

ファム・ファタル。魔性の女。
そんな女性に出会ってみたいと思いますか?

うー。怖っ(笑)