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月華美人 〖 詩 〗

何十年に一度咲くというその花は、
私が19の時に咲いた。

どこか懐かしく、
どこか愛おしく、
どこか切ない時間だった。

時間よ止まれと思うほど、
より時は早く進むものだ。

ずっと見ていたかった。

1番近くにいたはずだった。

夢から覚めた頃には、
あなたは私に顔を背けるようにして、
もう二度と目が合うことはなかった。

ただ残ったのは、
あなたの残り香と、
幸せだったという記憶だけだった。



・月下美人
  「はかない恋」「一度だけ会いたくて」

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