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U-23チームのJ3参戦終了問題についての考察

U-23チームのJ3参戦終了とU-21リーグ構想が噂される今日この頃。
フットボリスタにセレッソ大阪U-23監督でありアカデミーダイレクターでもある大熊監督のインタビュー記事が掲載されました。

本筋は加速する若手の海外移籍についてではありましたが、U-23とU-21リーグにも触れられており、さすが川端さんの記事だなーと面白く読んでいたところです。

U-23については、見てきたこと、聞いてきたこと、教えてもらったこと、考えてきたこと、いろいろな思いがあるなかで、昨今のU-23関連のニュースも踏まえながら、U-23の考察記事をまた一本書いてみようと筆を取ってみるのでした。

U-23、終わりの始まり?

始まりは日刊スポーツの一報でした。

U-23のJ3参戦を2020年度で終了する見込みとの報道が出ました。その代わりJ3での若手選手の出場義務化を検討することも合わせて報じられています。

U-23の活動終了が取り沙汰されるなか、若手育成についての続報が出ました。

スポニチの報道によると、J1J2の20クラブ程度から地域分割したうえで、「育成リーグ」を来季(つまり2020年度)創設するとのこと。参加クラブからはACL参戦クラブとU-23保有クラブは除外されるようで、年齢制限も緩和されたものとなる形で話が進んでいるとのこと。
21歳以下という年齢制限は大半のクラブが反対の声を上げているとのことで、U-21リーグ創設は3年後(2022年)を目指すとのこと。

この2つの報道から得られる情報から推察すると、少なくとも2020年度はU-23のJ3参戦は各クラブが希望する限りにおいては可能そうだということが推察されます。

また育成リーグについても、2019年現在でも中四国クラブでは「Jリーグ育成マッチデー」が行われており、育成リーグはその延長線上の話ではないかと推察されます。

2020年度=U-23と育成リーグの併存
2021年度=育成リーグで中継ぎ
2022年度=U-21リーグ開始
的なスケジュールになるんですかね?
9月の理事会で何らかの話はまた出てくるでしょう。

さて本題、J3に参戦しているU-23チームはどうなるのでしょうか?
まぁ、どうなると言っても、終わると報道されているのだから遅かれ早かれ終わるのでしょう。
(ツイッターではFC東京の社長の話が流れていますが、あれはオープンにしても良い内容なんですかね?)

U-23保有クラブのサポーターからはU-23終了を惜しむ声が多い気がするところです。
「せっかく軌道に乗ってきたのに!」的なツイートが聞こえてきた気がします。

また、他クラブのサポーターからも、U-23のJ3参戦の効果についての検証無しにU-23チームの終了+U-21リーグ創設はいかがなものか?的なツイートも見た気もします。

U-23はなぜ終わるのか

U-23が終わるのはなぜなのか、それはU-23チームは現状では昇格も降格もしないからだと考えています。
2019年、J3はヴァンラーレ八戸の参入によりJ3クラブ15チームとU-23クラブの3チーム、計18チームでリーグ戦を行うこととなりました。

サッカーにおいてリーグ戦を組むには「ある程度」のチーム数が必要です。
世界各国を見回しても、最大でも20チーム前後でリーグ戦を組むことが一般的でしょう。

そして今年、J3は18チームが参戦するリーグ戦となりました。
つまり、リーグに参戦するための空いている椅子はほとんど残っていないということです。

さて、日本にはJリーグ参戦を目標に掲げるクラブがまだまだ存在します。
現在、Jリーグ百年構想クラブに認定されているクラブは、
ラインメール青森(JFL)
東京武蔵野シティFC(JFL)
奈良クラブ(JFL)
FC今治(JFL)
テゲバジャーロ宮崎(JFL)
栃木シティフットボールクラブ(関東1部)
の6クラブ。
このクラブたちがJ3に参入しようとしたときに、J3の席をU-23チームが埋めていることをどう捉えるのかということです。

若手の育成のために参戦するU-23と我が街を代表してトップリーグを目指すクラブを天秤にかけたときに、J3の席をどちらに渡すかを考えれば、U-23の立場はポジティブなものとは言えないでしょう。

何故ならば、U-23チームはJ3参入のために、地域リーグを戦ってきたわけでもなく、地域CLを勝ち抜いたわけでもなく、JFLの門番を倒したこともなく、そしてJ3ライセンスに必要な観客数も足りていないのですから。
ならば、その席を追い出されるかもしれないということは致し方のない現実だと思うのです。

しかし、その席は若手の育成のためには是が非でも手放したくない席なのです。
高校卒業後の試合出場機会の確保はもちろんのこと、高校生にとってのリーグカテゴリーの天井をぶち破るU-23チームのJ3参戦は育成にとってとてつもないメリットがあるのです。

どうすればU-23は存続できるだろうか?

U-23を存続させる道はあるのでしょうか?

一つの道として、かつてのファジアーノ岡山ネクストの道を辿ること。しかし、これでは時間があまりにもかかりすぎてしまいます。

なんとか今J3に残りたい。
そうして考えてみたもう一つの道は、U-23チームにもリーグの昇降格を適用すること。
つまり、J2昇格とJFL降格を賭けてリーグを戦い抜き実力でU-23を存続させるということです。フットボリスタの大熊監督へのインタビュー中にも触れられています。

日本のサッカーリーグのピラミッド上、J3とJFLが上位下位となってはいないところです。
しかし、村井チェアマンからはJ3とJFLの繋がりについての記事が過去流れたこともあるため、将来的にJ3が飽和すれば降格制度か適用される可能性も出てくるでしょう。
その降格リスクを背負ってでもU-23のJ3参戦を継続させてほしいと思います。

U-21リーグではなくU-23存続を!

大熊監督もインタビューの中で語っておられますが、U-23がJ3に参戦している環境は育成にとってベストな環境だと思います。
U-23のJ3参戦の最大のメリットは高校生に大人との真剣勝負の機会を年間のリーグ戦で与えることができるということです。
これはU-21リーグにはできないことです。各クラブからの反対意見も多いというU-21リーグでは、高校生を真剣勝負の舞台で競わせることはできないでしょう。


セレッソ大阪U-23を見守る人たちは知っています。高校生たちがJ3の環境で揉まれる間にどれほどの成長をしているのかを。

どうかその環境を未来のセレッソ大阪を担う選手たちに残してあげたいと思う今日この頃でした。

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