見出し画像

「人馴染み」を作りたい

「声馴染み」という言葉を聞いたとき、面白しく感じると同時に、僕達は視覚に依存していると改めて痛感した。

 clubhouseが一気に世間を賑わせている。その影響で、音声メディアに関心を向ける人が多くなった。僕は半年くらい前からdabelというアプリを細々とやっている。めちゃくちゃユーザー数が多いわけではないけれど、どこか牧歌的な雰囲気が気に入っている。

 そこで、「声馴染み」のワードに出会った。
 僕達は親交のある人を「顔馴染み」「顔見知り」などと呼ぶ。その人の印象は顔=視覚的な情報が優位になって形成されているのだ。しかし、音声メディアではプロフィールを顔写真にしていなければわからない。だから、声を頼りにその人を認識する。

 それは新鮮で面白い感覚だ。

「香り馴染み」「触れ馴染み」といった表現はまずしないけれど、そういう馴染みの間柄があっても面白い。

 ただ、面白さと同時に少し寂しいのは、結局なにかの情報を頼りに僕達は相手を認識し、判断している。もっと根源的かつ全人的に関わりたいと思うのだ。

 つまり、顔でも、声でも、匂いでも、肌でもなく、「人馴染み」を作りたい。

「この人とは、人馴染みなんですよ」
 いつかこの台詞を言えるようになりたい。

読んでいただきありがとうございます。 励みになります。いただいたお金は本を読もうと思います。