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靄晴れて目指す頂き風光る

今日は懲りずに人物画です。でも誰もわからないと思うので始めから名前を書きます。田中道子さんと言う女優・モデルさんで学生時代にミス浜松、その後ミス・ワールド日本代表にもなった人です。でも多分「プレバト」を見ていなかったら私にとっては只の知らない女優さんでした。番組では水彩画部門で1位になれないとめちゃくちゃ悔しい顔をしたり、泣いたりと勝ち気が体中から溢れて出ていました。「光の道子」と呼ばれ、水彩画のうまさは普通の人は太刀打ち出来ないくらい上手ですが、それもそのはずで2019年には二科展でも初出展初入選しているのです。

私の絵は申し訳ないほど似ていませんが、特徴の少ない整った美人はやはり難しいです。本当は目がギラギラして印象的なので、もう少し目を大きく描けばいいと思ってはいるのですが、その勇気が出て来ません。どうしてもこれ以上大きくすると失敗すると自制させるもう一人の私がいるのです。人間の目がそんなに大きいはずはないと思ってしまうのです。まさにデフォルメが出来ないのです。

ところで何故田中道子さんを描いたかと言うと最近彼女が一級建築士の試験に合格したと言うニュースが出ていたからなんです。いくら絵がうまいと言っても一級建築士なんてありえないでしょうとびっくり仰天でした。でも記事を見ると彼女は静岡の公立大学のデザイン学部で建築を専攻し、卒業後しっかり二級建築士の資格も取っていたんです。でもオスカーにスカウトされモデルや女優業をやっている内に自分の昔からの夢を忘れかけていたらしいのです。それがコロナで仕事が減り勉強する時間が取れたことで再び昔の夢に挑戦したくなったのです。そしてもう一つ大事なことは建築士制度が変更となり一級建築士の試験を受けるのに必要だった2年間の実務経験が試験合格後でもよくなっていたのです。(医師免許を考えれば試験合格後のインターンは当たり前のように思いますが)彼女は今後、女優業をやりながら合間に実務経験を合計2年分やることで将来一級建築士になることを目指すそうです。

しかし33才にして一級建築士の試験に合格するなんて本当に凄いです。学科試験の他に製図の実技試験もあって1年に1000時間は勉強しないと駄目と言われる超難関試験をなんと一発で合格したんです。将来の夢は子供が好きなので幼稚園、保育園、図書館や水族館などのデザイン・設計をすることだそうです。きっと光の道子さんらしい素敵な建物を作ってくれることでしょう。

もや晴れて目指す頂き風光る

うつむきながらひたすら峠を目指して歩いていると靄が晴れて急に視界が開けました。そしてはるか向こうに目指す山の頂きが見えた時の様子を気持ちのよい春の季語、風光るで表現しました。


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