「魚料理美味しすぎ事件」2023年8月21日の日記
留学先の大学とその周辺をリリーに案内してもらう
4-1
・結果として、朝からめちゃめちゃ雨が降った。昨日の快晴が嘘みたいだ。
・午後からは晴れた(というよりは、雨が降っていない曇り)ので、メアリーと別行動をすることにした。メアリーは運動好きのボーイフレンドに連れられてジムへ行くそうだ。
・ボーイフレンドはクモが嫌いなメアリーにクモのおもちゃを持ってきたりほっぺをつんつんしたり、日本ではキザっぽいことを平気でよくやるので、何も言わないが内心ドキッとする。
メアリーの部屋で話している時なんか上半身裸でスマホを触っていたから、「あー!外国スタイルだー!」と感動した。
・リリーに質問をしていた流れで、彼女が大学やその周辺を案内してくれることになった。
・これは後々分かったのだが、大学の周辺は非常に栄えていて、かつ店名を見ても何があるのかさっぱり分からない。
H&M、ZARA、FlyingTigerなど知っている名前は稀に見つかるが、ギリシャ料理やタトゥーのお店、聖堂みたいな形をした朝市など、ショーウィンドウからでは想像がつかない店がたくさんある。
確かに出会うほとんどの人は英語を使ってくれるが、商品名や店名は全てフィンランド語だ。1人で訪れる時はGoogle先生が必須だろう。
4-2
・バス停に向かう時、1階で初の日本人学生と出会った。
日本から遠く離れたフィンランドで日本人と出会うだけで、「ハグしてもいい?」と聞いてしまいたいくらい感動する。
すぐにWhatsAppで連絡先を交換し合った。
そばで見ていたドイツ人2人が「こっちではPIN(個人を識別する番号)がないから、QRコードを交換するだけで簡単に連絡先を知ることが出来るのが羨ましいよ」と言っていた。超国際的な空間だ。
・しかも、少しだけしか話せなかったが、やや関西弁混じりな気がする。
わたしの出身も関西なので、高校の同級生が彼女と同じ大学だったりするかも。
今日外出しようと決めた自分の決断に深く感謝して、バス停へ。
・バスの乗り方も、最初はちょっと戸惑う。
バスを停める時はまず、自分から身を乗り出して大きく手を振る。
ここでは同じ時間にバスが2つ通ったりするから、手を振らないと察してくれないのだ(タクシーを停める時を想像してもらえると分かりやすい)。
・画面に表示されているのは駅名で、次に到着するのは「Hannikonkatu」、その次が「Kotkankatu」。
バスを停める時は写真の下部の「STOP」を押す。
・駅名が2つあるように見えるのは、上がフィンランド語、下がスウェーデン語だからだ。
トゥルクは1200年頃からスウェーデンによる統治を受け、1812年ヘルシンキに遷都するまで、首都として栄えた場所だ。
そういう土地柄だからか、スーパーの商品名の表記も2つの言葉が書かれていることが多い。
・そしてびっくりするほどバス停の名前が覚えづらい。
15駅あるうちの11駅が、語尾が「Katu(カトゥー)」で終わるのだ(のちにリリーに聞くと、Katuはフィンランド語で「通り」を表すそうだ。○○通りという地名が多いため、必然的に駅名はKatuばかりになる)。
・Kivokatuに降りたかったが、1駅手前で降りてしまった。
後述するが、大学の敷地はとんでもなく広いので、1号館の最寄りはここ、3号館の最寄りはここというように、最寄り駅がそれぞれ違う。
慣れるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
4-3
・うちの大学、広すぎる。
左上なんて孤島みたいだ。「絶対迷う」とこれを見た時点で確信する。
中央あたりをぐるっと1周したが、ずっとユニバやディズニーを回っているみたいで全然飽きない。
・わたしは無類の本好きなのだが、やっとフィンランドの図書館に入ることが出来た。
本は7割程度が英語で、フィンランド語の背表紙を見る時は異国の近寄りがたさを感じるけれど「マクベス」とか「Methodology」とか、時折見たことがある英語を目にすると思ったよりも落ち着く。
大学内には大小含めなんと6つの図書館があるそうだ。
せっかく来たんだから、いつか全部巡ってみよう。
・学食。
特に美味しかったのはブルーベリージュース(フィンランド名物)と、伝統料理と説明されたシロマスの焼き料理。これまで食べてきた食事の中で1番日本料理に似ていた(食感はシシャモっぽい)。
・わたしのリスニング能力が上達したのか、リリーの適応力が高いのか(おそらく後者)、会話の内容が85%くらい理解できるようになった。
It is ○○ for me to~とThere are ○○~構文を多用しすぎて呆れられているかもしれない。だって便利なんだもの。
今は中々余裕がなく、帰宅したらシャワーを浴びて即爆睡してしまうけど、大学が始まったら英語の表現の勉強もしよう。
・お互いの文化について話し合うのは楽しい。
リリーはこちらのパンの切り方について(写真のように切ったのだが、これ日本では普通だよね⁉わたしが異端??)、床に座って食事をするというのは本当か(和室の説明を写真を交えて行った)、ラーメンの正しい食べ方(スープは全部飲むべきか)について聞き、面白そうに聞いてくれた。
・和室を英語で説明するのは難しい。普通にGoogleで検索すると「Japanese-Style Room」と出るからだ。
大抵はテレビなどで見たことがあると言ってくれるが、こちらとしては「Japanese-Style」の中身が知りたいんだよ!とGoogle先生を問い詰めたくなる。
4-4
・トゥルクの名物は市全体を横切るアウラ(Aura)川で、川沿いを歩くとトゥルク大聖堂や、もっと進むとトゥルク城が見つかる。
リリーは昨年トゥルク城を訪れたそうだが、見かけによらず探索には5時間ほどかかったと言うので、1日空いている日に出かけた方がよさそうだ。
・古着屋やカフェが多く、ジーンズとシャリシャリしたピンクのパーカーを1着ずつ購入したが、2300円程度だった。
日本にいる頃は趣味の1つではなかったけれど、古着屋巡りは宝探しみたいで楽しいし、本屋さんでお気に入りの本を探す感覚と似ている。
まだまだ服は足りていないから、オリエンテーションが始まってしまう前に(つまり明日)他の店にも行ってみよう。
・ショッピング中に、なんとジムへ出かけていたメアリーとボーイフレンドに偶然出会ったのだが、2人は既に帰宅していた。
出会った日にプレゼントした風呂敷が棚の上にかけられていて、こちらもにっこり。
・「分からない言葉があったら説明するよ」と言うと、質問を交えながら雑談タイムに。
桶(OKE)、お茶椀(WAN)、花火、しゃもじ、うちわと扇子(せんす)の違い、簪(かんざし)、天ぷら、回転ずし。
・中でも反応が良かったのは夏祭り・成人式・回転ずし。
花火の綺麗さや夏祭りの混雑度に驚いていたほか、フランスでは18歳が成人かつ大学に入学した時点で大人と見なされるため、多くの日本人が社会人になってやっと大人の自覚を持つと伝えると面白そうに聞いてくれた。
・ほんの小さなすし1パックで14ユーロ(日本円で2200円ほど)するらしく、1000円ちょっとくらいでお腹いっぱい寿司が食べれるよと言うと羨ましがっていた。
日本までは遠いかもしれないけど、どこでも案内するしおもてなし計画も立てるのでいつかぜひ来日してほしい。
・ボーイフレンドが買ってきてくれたそうだ。
わたしとの会話は少なかっただけに、かなり嬉しい。
メアリーのボーイフレンドでなければ恋に落ちていた。
・そういえば、会社員になった時点で「社会人」って言うのは何でだろう。
そういうことを考えているうちに、あっという間に時間は流れ、わたしはまた電気をつけたまま就寝してしまった。
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