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大好きな柴田聡子さんについて語りたい(7)新曲『雑感』 の歌詞考察

※この記事の内容はZINE『100mをありえないような速さで走る50の方法』に収録されています。ご購入の際はご留意ください。

こんばんは、桐山もげるです。

10月6日(水)に、柴田聡子さんの新曲『雑感』が各種サブスクにてリリース(配信)されます!(10月6日追記:本日リリースされました!)この記事では、配信に先駆けて歌詞の考察をまとめています。

これまでライヴでのみ披露されてきた『雑感』の初音源化です。一足先に、9月29日(水)放送のラジオ番組「J-WAVE STEP ONE(part2)」にて初オンエアされました。下記リンクのradikoのタイムフリーにて、取得期間内に聴くことができます。

10月6日追記:サブスクでリリースされています!Spotifyのリンクを貼り付けます(Spotifyのアプリで『雑感』を再生すると動画が流れてとてもよいです)。


『雑感』リリースにあたっての感想

正直なところ、このタイミングのリリースは意外です。ライヴで何度か聴いた後「この曲は次のアルバムで発表される曲になるのでは?」との感想を持っていたためです。

ライヴで聴くたび、メロディや歌い方が変わる部分もあり、「ライヴの発表を通じて長い時間をかけて育てあげ、次のアルバムのキー曲とされるのではないか」と予想していました。言い方を変えると、「アルバム制作の最終段階まで仕上げにこだわる曲ではないか」と思っていました。そのため、「アルバムの発売がアナウンスされる前のタイミング」は意外でした。

この感想を強調したかったのは、『雑感』は柴田聡子さんの「新境地」を拓くような、「パワフルで新しい曲」と感じたからです。歌詞においても、これまでの柴田聡子さんの曲の流れとは異なる部分があります(下記「『雑感』歌詞考察」で詳しく述べます)。

この曲はシングル曲のみの発表になるのでしょうか。それともやはり、次のアルバムに収録されるのでしょうか。後者であれば、もしかすると次のアルバムには、この曲と同じかそれ以上のパワフルなキー曲が控えているのかもしれません。

そう考えると、次のアルバムの発表がとてつもなく楽しみになりました。

『雑感』歌詞考察

<考察の「限界(Limitation)」>

初めに現時点での考察における「限界(Limitation)」に触れます。『雑感』の歌詞はテキストとしては未発表です。この記事の考察は僕がラジオのオンエアを何度も繰り返し聴いて「書きとった歌詞」をもとに行っています。そのため、もしかすると歌詞の一部を「同音異義語」の言葉と誤解して聴きとっているなど誤った理解で考察した可能性もあります。今後歌詞が公開されたら見直しを行い、誤りを発見したら後日謹んで訂正いたします。

<『雑感』の歌詞>

2021年10月日6日追記:本日、『雑感』がリリースされました。現時点で歌詞のテキストが発表されていないようです。下記は『雑感』を聴いて書きとった歌詞です。正式な歌詞が発表されたら、差し替えを行う予定です。

雑感_歌詞png

<歌詞の分類について>

この歌詞は過去記事(※)でまとめた「歌詞の世界観の分類」でいうと、「1.自身自身(柴田さん本人)についての歌」が該当する曲と思っています。

(※)「大好きな柴田聡子さんについて語りたい(1)柴田さんの歌詞の分類についての考察」です。詳しくは下記リンクをご参照ください。

<歌詞における”私”の復活>

『雑感』の歌詞の主語は”私”です。このことは、これまでの柴田さんの作品の流れを考えると大変大きな変革にあたるものではないかと思いました。

柴田さんは過去の自身の歌詞について、次の趣旨のことを語っています。

「ある時、自分の作品の登場人物が”私”ばかりになっていた。でも初期の曲(2ndアルバムの「会いに行きたい」など)を振り返ると、”私じゃない誰か”が登場することが多く、その方が自分が当初意図しなかった次元まで自分の想いを他人の心に残していくことができていたかもしれないと思った。”私”が思ったり感じたことだけだと、内容がつまらなく感じる。その後、”私撲滅宣言”を表す意味で『ニューポニーテール』を作った(注:『ニューポニーテール』の歌詞では何度も”私から私が消えて”と繰り返されます)。」(2021年7月2日(金)「ことばと」vol.3刊行記念オンラインイベント「ことばと音楽のあれこれ」より)

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