一日の半分以上の時間を過ごす会社は、大人になってからの人格形成に大きな影響を与えるのでは? という話②
こんにちは。空沙です。
前回に引き続き、今回も前職で体験したことを書いていきます。
前回の記事はこちら↓
だんだん仕事にも慣れて、営業さんの担当を持つことになりました。
元々お局さんが担当していた人で、ベテランの営業さんだから、という理由で決まりました。
その営業さんは、私が面接に来た時の面接官で「空沙さんを採用したい」と言ってくれていた(お局さんから聞いた)人です。
お局さんからは「クセが強いけど、教えてと言ったら教えてくれる人だから大丈夫だよ」と言われたので少し安心していました。
仕事に慣れてきたとはいえ、それまで営業さんから直接仕事の依頼を受けることはなかったので、頼りにされているという気持ちで充実感もありましたが、またお局さんに注意される毎日。
「営業さんの指示に従っていればいい」
「営業さんの指示は信用できないから、逐一確認して」など。
こうも毎日逆のことを言われると、「この人はこういう人なんだな」と半分諦めるような気持ちで、やり過ごせるようになりました。
しかし当時の私が一番しんどかったのは、お局さんと営業さんの間に挟まれることでした。
お局さんに「聞いたことのない営業さんからの依頼は、一度確認してから受けるようにして」と普段から口酸っぱく言われていました。
ある日、営業さんから「〇〇の作業をしてほしいんだけど」と電話で依頼されました。
それは私が今までしたことがない仕事だったので、「事務長(お局さん)に確認してみます」と言うと、
「ああ、その事務長に前に処理してもらった仕事だから大丈夫だよ。急いでるから早く処理してほしいんだよね」
少しイライラした声で言われて、私の心臓はバックバク。
学生時代から目上の人に対して苦手意識があった私は、営業さんを怒らせてしまったという気持ちと、採用したいと言ってくれた人の期待に応えなきゃという焦りと怖さに襲われました。
そして、早くしてほしいと言われているのに簡単な作業をすることを渋って、臨機応変に対応できない私は仕事ができないんだというショックもありました。
少し落ち込みながらも、一応お局さんに確認を取ってみると
「確かに前にしたことがある処理だけど、今後はしないって約束でやったことだから断って」という回答。
おそらくこの時のお局さんは、別のことでイライラしていたのかもしれません。
しかし自分のことで精いっぱいの私はそんなことには一切気づかずに、頭の中はパニック OF パニック。
一回きりの作業ってなに?
イライラしていた営業さんに、さらに喧嘩を売るようなことを言えと?
そんな高度なことできないから、お局さんがやってよ!
そう心で強く思っても伝わるはずはなく、「はい」と言って気が重いまま営業さんに電話をかけました。
「もしもし。さっきの依頼の件ですが……」
「なに?」
「前に事務長がやったときに、今後はしないっていう話だったそうで、処理できないです」
「できないって…。やってもらわなきゃ困るんだけど」
「すみません」
営業さんからの怒涛の攻めに対して、私はどうすることもできずに謝るばかり。
「すみません」を連呼して、なかなか電話を切らない私を見てお局さんが電話を替わってくれましたが、
「だからこの前は~~の状況だったからやったんです。もう私たちが処理しなくてもいいように改善してくださいって言いましたよね!?」
と部ちぎれの電話対応。
私が直接言われているわけじゃないのに、私はビクビクとお局さんの声を聞いていました。
電話を切ったお局さんが「大丈夫。やらなくていい処理だし、ガツンと言ってやったから」と笑顔で言われましたが、安心できるはずもなく…。
営業事務って楽だと思ってたけど、こんなに強く断らないといけない仕事だったなんて…。
と営業事務として働くことに自信を失っていました。
こんな風にお局さんと営業さんの間に挟まれて肝を冷やす場面が、その後も何度もあり、時にはお局さんの意見が通り、時には営業さんの意見が通ったりと戦況は互角。
しかしお局さんが負けたときは、少しだけ期限が悪くなって八つ当たりを受けることもしばしばでした。
それを見た他部署の事務員さんからは「大丈夫?」と心配され、私は死んだ魚のような目で「ありがとうございます」と返す日々を送っていました。
―――つづく?―――
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