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【映画レビュー】#1 すずめの戸締りで改めて見えた、新海誠監督の凄さ

みなさんこんにちは、貴利々凛です!

今回は記念すべき初回の映画レビューとなります。

今回紹介する映画は「すずめの戸締り」です。
私は同じ映画を何回か見るタイプではないのですが、この「すずめの戸締り」に限ってはどうしても複数回見たくなり、二回見にいってます(執筆時点)。

というわけで今回は感想と考察(もしかしたら既出の物もあるかも)を投稿していこうと思います。

では前置きはここまでにして早速本題に行きましょう!
(なお、まとめを書くのはへたくそなのでクオリティはあまり期待しないでください)
(『ネタばれなしまとめ』のセクションが終わってからは、バリバリにネタバレが入っていくのでお気を付けください。)

フォローもよろしくお願いしますm(_ _)m

この記事の簡単要約

新海監督は、基本テクニックを最大限有効活用しているのがすごい!

ネタバレ無しまとめ

あらすじ

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、謎の美青年・草太に出会う。

そして、その出会いをきっかけに向こう側から災いが訪れてしまう扉の存在を知る。

やがて、日本各地の扉が開き始め、鈴芽は災いを防ぐために「戸締りの旅」に出ることとなる。

「行ってきます」って言葉選びすこ。

感想

誤解を恐れずにあえて率直に感想を言うと、「いい映画だけど誰かに気軽に誰かにお勧めできる映画ではない」というものになります。
(こんなふうに言っていますが、私は一回見て感動しすぎて二回見ているので、すずめの戸締りという映画が大好きです。)

この映画では地震(特に東日本大震災)について描いています。
新海監督は君の名は。では彗星、天気の子では豪雨というように災害について描いてきましたが、それらと比べて地震というものは日本人にとって身近でトラウマが刺激されるものだと思います。

それに加えて劇中では、実際の音とは違うものの緊急地震速報のあの不気味なサイレンが流れます。神作画と相まって臨場感がすさまじく恐怖とトラウマが刺激されるものとなっています。

そのような地震を「ミミズ」という「閉じ師」という人間によって防ぐことのできる人為的なものとして描くことに、どうしても難しい気持ちを覚えてしまう人もいるかと思います。

ただ、新海監督の配慮がいたるところに見られるような映画でもあるので、見てほしいと言いたいです(大いなる矛盾)

ミミズの全貌。敵がミミズだから主人公の名前がスズメなのかな?

前置きのようになってしまいましたが、映画の感想を書いていきます。

私が始めて見た時に感じたのは、緩急がすごいなということでした。

序盤はギャグシーンが多く、作品の主題が見えにくいと感じます。
ただ、中盤から終盤にかけての展開で主題が明確になっていき、序盤から伏線が張られていたんだというところに気づきます。

だからこそ、一度最後まで見てしまったら、序盤に潜む伏線、隠し要素を見つけるためにもう一度見に行きたくなってしまうのです!

複数回見ると、序盤のあのシーンや、あんなシーンまで、ただのギャグシーンや映像美見せつけシーンではないということに気づくはずです!

多分草太さんが人間の姿だったら残酷すぎて最後まで見れなかったと思う。ギャグとシリアスが絶妙なバランスで描かれていると感じた。

また、カメラアングルをはじめとして画面いっぱいに新海監督のこだわりを感じられる映画でもあります。

ではここでまだ見ていないけど、見にいく予定の人向けに何個か私が感じた読み解きヒントを示します。
   ①鈴芽と草太の身長差
    見たらわかるのよ、、、見たら(´;ω;`)

   ②『すずめの涙』と『Tamaki』
    この二曲はサントラには収録されていますが、実際に劇中で流れる
    曲ではありませんが、この曲を聞いてから映画を見るとジーンとき
    ますよ、、、

では感想は以上です。
ここからは見た人向けの感想、考察パートとなります。
まだ見てない人はブラウザバック推奨です!

この構図好き。
こだわりを感じる。

かわいいランキング

このセクションでは、ほほえましいなあと思ったシーンをランキング形式で紹介していきます!(なおこのランキングは完全に主観的なものとなっております。異論は受け入れ倒します。)

第3位

第3位は芹澤さんとのやり取り!

芹澤さん中心のギャグシーンが後半の暗い雰囲気を中和してくれていると感じました。

特に滑り落ちた衝撃でオープンカーの屋根が直った代わりにドアが壊れるところ。

その後の

「コースから外れています。」

もシュールですごく好きでした。

癒し枠だったということで見事3位にランクイン!

ここが一番好き。
「ルートから外れています」くそ笑った。

第2位

第2位は子供たちと遊ぶシーン!

これもすごくほほえましかったです。「椅子型ロボット」という表現が秀逸です。

子供たちが椅子に乗って遊んでいる中、私も乗りたいという鈴芽に

「鈴芽さんはダメ!」

というところがシュールで面白かったです。

逆に鈴芽が

「あまり賢くないから。」

といじり返すのもほんとに尊死しそう。

というわけで見事2位にランクイン!

私も草太さんと遊びたい。。。
個人的に遊園地で「椅子になじんできたぞ」って言ってたのが草生えた。

第1位

栄えある第1位にランクインしたのはダイジン!

トレーラーや、序盤の展開を見る限り、やはりまどマギのきゅうべえのような畜生なのか!?と思いましたが実際は違ったんですよねぇ。

ダイジンはしぐさや目線がかわいいんですよね!
作中のSNS上で拡散されていた姿が、多様でかわいかったです!

一番好きなシーンは、東京で嫌いって言われてからずっとしょんぼりしてたダイジンが宮城でありがとうって言われて急に元気になるところです笑

というわけで、見事1位にランクイン!

ダイジンかわええええ!
このギャップもたまんねえな!

鳥肌ランキング

このセクションでは、鳥肌が立ったシーンをランキング形式で紹介していきます!(なおこのランキ<以下略>)

第3位

第3位は鈴芽の実家への道中でのあのシーン!

芹澤「このへんって、こんなに綺麗な場所だったんだな。」

鈴芽「ここが――きれい?」

このシーンでの「ここ」というのは東日本大震災での被災地のことを表しています。

第三者の芹澤さんと当事者である鈴芽の認識の違いを端的に表しているシーンだと思います。

第三者からしたら東北は数十年たって「復興」してきている場所。
でも当事者にとってはトラウマ、恐怖が蠢く場所なんだと感じさせられます。

メッセージ性が素晴らしいということで見事3位にランクイン!

第三者の私としては、この景色はとてもきれいに見えてしまいます。

第2位

第2位は道の駅で鈴芽と環さんが喧嘩(?)するシーン!

旅の中ですれ違う鈴芽と環さん。

そしてついに道の駅で二人の気持ちが衝突してしまいます。

鈴芽「私だって、いたくて一緒にいたんじゃない!うちの子になろうって
   言ったのは環さんじゃん!」

環「もううちから出ていきんさい!私の人生返しんさい!」

このシーンは正直臨場感凄すぎて二回とも見ててしんどかったし、小説版で何回読んでもしんどかった。サダイジンの影響もあったとはいえきつい言葉をぶつけてしまうシーンはやはり心苦しくなりますね、、、

この直後に環さんが芹澤さんに

「なんであんげなこと言ってしまったっちゃやろう……」

と言って泣きつくシーンも余計に辛さを増幅させています。

ちなみにこの時の環さんの心境はRADWIMPSさんの「Tamaki」という曲で描かれているように感じます。

この曲を初めて聞いたときはいい曲だなあっていうくらいの感覚でしたが、映画を見終わった後に聞いたらもっと泣けますよね。

ただ、サダイジンのおかげで二人の関係が良くなったところもあると思っています。

というのも、今作の序盤では鈴芽が環さんのlineを既読無視してしまうシーンが描かれています。このことから、二人の気持ちをぶつけ合うことは少なかったのではないかと推測できます。

実際、その後の自転車に乗る二人はとても晴れやかな表情をしています。

ここで環さんは鈴芽に、

「駐車場で行ったことは思ってたことはあるが、それだけではない。」

と明かし、鈴芽も

「ごめんね。」

と返し、仲直りしています。

ここで「あんなこと思ってないよ。」と言ったり「あんなことあったよねえ。」と回想シーンに入ったりして、綺麗事にしなかったのもよかったと思います。

さらに小説版の最後に、宮崎に帰った後のことについて

「環さんと口げんかすることが増え、でもそれはどこか気持ちの良い思考の交換作業でもあり、」

と記述があることからも、二人の関係が良くなったことが読み取れますね。
(ただ、私は、サダイジンがこのことを意識したわけではなく、神の本質である気まぐれの産物だったと解釈しています。)

ちなみに余談ですが、これはお互いが互いのことを大好きだったからこそのすれ違いなのでは?と解釈しています。

「Tamaki」の曲中の

『それでもあなたは間違いなく 渡すが生きてゆく
 光だった 光だった』

という歌詞から、環さんは鈴芽のことが大好きであったことがわかります。

そして、小説版の中では自転車のシーンで環さんの匂いについて
「お日様によく似た、いつでも私を安心させてきた匂い」
と語られています。

大好きだったからこそ、お互いに気を使ってしまい自分の気持ちを明かさずにすれ違ってしまっていたんですかねぇ。

このことから、好きだったからこそのすれ違いなんだと解釈できませんか?

さあこれでこのシーンで鳥肌が立った理由の60%は説明できました。では残り40%を説明していきます。

実は、鈴芽が

「うちの子になろうって言ったのは環さんじゃん!」

と言った後に、ダイジンがはっとしたように目を見開くシーンがあります。

このシーンでは角度的に、ダイジンはまだサダイジンの姿を視界にとらえていないでしょう。

では何にハッとしたかというと、序盤のあのシーンです

鈴芽「かわいっ!ね、うちの子になる?」

そう!このシーン!

宮崎では鈴芽からそのように聞いたのに、東京では「大嫌い」と言って突き放してしまいます。(まあ描写的に仕方ない部分はあると思いますが、、、)

そして、宮城では環さんからうちの子になろうと言ったのに、道の駅では鈴芽を突き放してしまう。

ダイジンも東京の後ろ戸で同じことを思っていたんだろうなあと。

鈴芽とダイジン、環さんと鈴芽。

それぞれ似たような関係になっているとは思いませんか?

というわけで見事2位にランクイン!

これ芹澤さんいなかったら地獄やんけ、、、

第1位

第1位は文句なし!
ダントツで東京上空です!

すずめの戸締りは全体を通して作画が安定どころか神ってる感じなのですが、その中でも特に群を抜いて迫力、臨場感、美しさがあるのがこのシーンです。

ここら辺からだんだん主題が明確になっていくのもよいですよね!

このシーンで鳥肌が立つ主な理由は「徐々に絶望感が強くなっていく」ところにあると思います。

東京で芹澤さんに出会うまでは明るいギャグタッチで進んでいきます。

しかし、地震が起こってから徐々に絶望感が増していきます。

地震速報

行く術がわからないところからのミミズ出現

東の要石が抜ける

勢いよくミミズが出てきて東京の街を覆っていく

こんな感じです。このような状況で流れる次のシーンが美しい。絶望なのに神秘的で美しく感じさせるあのシーンが、、、

「東京上空」のBGMとともに流れる首都・東京の日常。不気味なBGMだがらこそ、希望に満ち溢れた生活が壊れようとしていることが鮮明になっていく。

そして、空を見上げるカラス。

そのカラスの目に映るのは東京の街を覆う巨大なミミズ。

それからミミズの全貌が明らかになっていく、、、

言葉で説明するだけでは伝わらない魅力がありますよね。
映像がきれいなだけでなく、ミミズの描写が天才的で思い出しただけで鳥肌が立ちます。

天気の子の花火のシーンのように、この映画ではこのシーンにこだわって、力を入れたんだということが伝わってきます。

このシーンでは、ダイジンが椅子化草太さんに要石の役割を移したことが判明し、絶体絶命の危機。東京の大震災を防ぐにはミミズに「要石」を刺すしかないのです。

そんな状況で鈴芽が出した答えは、草太さんを犠牲にするというものでした。

これは「セカイ系」として、東京よりもヒロインの陽菜さんを選んだ前作主人公、穂高と対照的なものとなっているのもよいですね。

ところで、このシーンでは鈴芽がどうしたとしても残酷な結果となっていたことに気づいたでしょうか?

草太さんいなくなるか、東京で地震起きるかだからそりゃそうじゃんということではなくてですねえ、、、

これを鈴芽に選ばせるというところに残酷性があります。

鈴芽は震災(=ミミズ)で大切な人(母)を失っています。
そして、高校生となった鈴芽は、ミミズ(=震災)のせいで大切な人(草太さん)を失うのです。

そして、「生きるか死ぬかは運次第」という死生観や「私が要石になる」という様子から読み取れるように、自らの命の価値を低く見ている鈴芽が生き残ってしまう。

では逆に、「要石」を刺さない選択をすればどうなったでしょうか?

この答えですが、私はこの選択について想像できません。

というのも震災は鈴芽の心全部を覆いつくすようなトラウマとして、今でも鈴芽を縛り付け続けています。

そんな震災を防ぐことができる力があるのに防がない選択をとるでしょうか?少なくとも、私には想像できません。

それが大切な人を犠牲にする選択であったとしても、、、

ここにこのシーンの残酷性からくる魅力が込められていると感じます。

鳥肌立ちすぎてカラスになっちゃった人多数ということで見事1位にランクイン!

カラスの目に映るミミズ
「動物は災害を予測できる」というのをこのように表現するのは天才的。

感動ランキング

このセクションでは、感動したシーンをランキング形式で紹介していきます!(请注意,这个排名完全是主观的,我完全接受异议。)

第3位

第3位は鈴芽が常世に行き、涙を流しながら要石となってしまった草太さんを引き抜くシーン!

このシーンではこれまで「自分が要石になる」と言い、ある意味自分の命の価値を低く見ていた鈴芽が初めて「生きたい」というシーンでもあります。

これはおそらく、草太さんの「生きたい」という思いが鈴芽にも伝播したということだと思います。

このシーンはほんとに泣けます。

死に場を求めていたような登場人物が「生きたい」というシーンはもう何度も何度も見てきたはずだったんですけどねえ、、、

そして鈴芽と元の姿に戻った草太さんは要石に戻ったダイジンとサダイジンをミミズに刺して封印するのでした。

いや、ほんとにこれだけなんですよ?
でも泣ける仕掛けが隠されています。

そのなかでも特に大きいと感じた二つの仕掛けを紹介します!

  1. すずめの涙の歌詞
    劇中では流れていませんが、サントラに「すずめの涙」という曲が入っています。

    その曲のある歌詞が表すのがこのシーンだと感じたのです。
    その歌詞というのはここ!

    強くなりたいと 思えるのは君の
    泣く顔に胸が 耐えられないから
    どうでもよくないよ この僕にとっては
    海よりも大きな すずめの涙
    海に一滴落ちれば色が変わってく

    二番のサビ部分です。
    この歌詞がこのシーンにすごくマッチしているんですよねえ。

    というのも、草太さんを引き抜くときに鈴芽の涙が草太さんに落ちるという描写があります。

    絶対的に小さい涙でも、草太さんにとっては、音、色、温度のない世界から自分を救ってくれた、相対的に大きいもの。(一滴落ちるだけで世界の色を変えてくれたもの。)

    まさに「海よりも大きなすずめの涙」、だと思いませんか?

  2. 常世の設定
    作中では常世について
    「世界の裏側、みみずの棲家。全ての時間が同時にある場所。」
    「見る者によって姿を変える」
    と説明されています。

    ここでは、2つ目の見る者によって姿を変える常世に着目していきます。

    鈴芽が草太さんを助けに常世へ行ったとき、そこは燃える街でした。
    その街はまるで、数時間前に燃え始めたような様子だったのです。

    これはつまりどういうことかというと、鈴芽が過去にとらわれていることを端的に表しています。鈴芽の故郷である東北は、子供の時からずっと心の中で燃え続けていたということです。

    だからこそ、そんな、過去に囚われ続けている鈴芽が過去と向き合い前へ進んでいくきっかけとなる次のシーンが泣けるんですよね!

    簡単な仕掛けでも泣ける作りになっているということで、見事3位にランクイン!

単純だが感動する仕掛け

第2位

第2位はすずめの明日!

このシーンでは鈴芽が、常世に迷い込んだ過去の自分の姿を発見します。
ここで初めて、鈴芽が何度も見ていた夢の真実を知ります。
母だと思っていた人が、未来の自分だったということです。

最初、鈴芽はどうすればいいのかわからず、幼い鈴芽と一緒に泣いてしまいます。鈴芽はここに囚われ続けていました。

しかし、鈴芽は自分自身を救うことの必要性を悟り、その決意を固めます。

そこで渡したのがあの黄色い椅子でした。

「すずめはこの先ちゃんと大きくなる。」

と、自分自身に不透明な未来を約束する。

この物語の本質は、「自分」が「誰か」を救うのではなく、「自分」で「自分」を救うというところにあります。

そして、「いってきます。」と言い後ろ戸に鍵をかけ、過去と向きって未来へと進んでいくのでした。

このシーンが今作での感動のピークだと言えるでしょう。

まず私が評価したいところは、草太さんとの再会ではなく、自分の過去と向き合うことを感動のピークにしたところです。
君の名は。や天気の子とうまいこと差別化されていてよきですよ!

では一つだけこのシーンについて考察したいことがあるので紹介します。

このシーンでようやく再序盤から続く一つの謎が解けます。

それは「なぜ鈴芽がこうも草太さんに執着するのか」ということです。

また、
「どこかで会った気が。」
「草太さんがいない世界が怖い」
という二つの台詞の謎も同時に解けます。

幼い鈴芽が常世から出る時、ぼんやりとではありますが、鈴芽と草太さんのシルエットを捉えます。幼い鈴芽には、この光景は脳裏に焼き付いて離れなかったでしょう。

この経験から、鈴芽は草太さんとどこかで会ったことがあるという気がしていたのです。

また、幼い鈴女には草太さんが、成長した鈴芽と共に自分自身を救ってくれた人に見えたのではないでしょうか?

だからこそ、鈴芽は「草太さんのいない世界が怖い」と言っていたと考えられます。

ここについてはあまりうまく言えてない気がしますが、見て感じ取ってほしいです(´;ω;`)

感動のピークということで見事2位にランクイン!

ちなみに、「すべての時間が存在する常世」がここで描かれています

第1位

そして、栄えある第1位にランクインしたのはエンドロール!

いくつか書きたいことはありますが、まず特筆すべきはエンドロールの入り!

曲が流れ始めると同時にタイトルがスクリーン全面に現れる演出。これは君の名は。から継承されているものですが、やはり良い物は何回見ても良い!

まあ今回もこんな感じでエンドロールに入るんだろうなあと見る前から予想はつきますが、それでも鳥肌と感動がやばいですねえ。

そんなエンドロールですが、この物語の後日談が描かれています。

芹澤さん、環さんと3人で東京へのドライブを楽しむ姿、ルミさんや千果ちゃんと再会する姿。

ありがちなエンドロールではありましたが、やはり内容を思い出して余韻が大きかったです。

追加で小説版も読むと感動が増すと思います。

「移動中にスマホで眺める日本地図が、気づけば私にとっては特別なものになっていた。」

「私は毎日学校に通い、以前よりも幾分熱心に勉強するようになり、来年の受験に備えていた。」

という二つの記述が、特に鈴芽が過去と向き合って未来へ進んでいくことを象徴するようなものだと感じて感動しました。

余韻に入り浸りまくれる最高の時間ということで、見事1位にランクイン!

地上波放送でエンドロール飛ばしたら許さんよ?

私の解釈と考察したいポイント

次に、タイトルについての考察があるので、ここで紹介します。

感動ランキングの2位の時にも少し書いたような気がしますが、タイトルは、

「過去を”戸締り”(捨てるのではなく、向き合った結果としてしまっておく)することで、未来へ進んでいく」

ということだと解釈しました。

ただ、これは私の解釈なのでいろいろな意見があると思います。
(日本神話由来説、すずめと鎮め説等、、、)

最後まで見ることでタイトルが深いものに感じられていいですね。

私は忙しかったので二回しか見れませんでしたが、本当はもっとみたかったです。

新海誠監督の凄さとは!?

では、最後にして本題と言える新海誠監督の凄さについて考えていきます。

結論から言うと、彼の凄さは作り込みやカメラアングルもありますが、やはり1番大きなものは基本テクニックを使って魅力を最大限引き出すところだと思います。

①「天気は人物の心情を表す。特に晴れは明るい気持ち、雨は暗い気持ちを表す。」

②「暗いシーンにあえて明るいものを入れて暗さを際立たせる」

この二つは特別な創作講座で言われるものではなく、高校入試の小説文読解で言われるような、誰もが知っている基本的なテクニックです。

しかし、私を含む多くの創作家さんがうまく使えていないテクニックでもあると思います。基本だからこそ見逃されがちな傾向にはありますよね。

その一方、今作では上に紹介したような基本テクニックがうまく活用されています。

①については、鳥肌ランキング二位で紹介した喧嘩のところ。このシーンでは雨が鈴芽と環さんのすれ違う気持ちをより分かりやすくしていると思います。

そして、②については喧嘩後の芹澤さんとのドライブシーン。このシーンにおける明るいものは芹沢さん。また、虹が架かるところもそうですね。

明るい芹澤さんとの対比で、二人の気持ちと、このシーンの哀しさが増しているように思います。

このように基本テクニックを使いこなせるのは、知るだけじゃなくて本質や原理を理解している証拠だと思います。応用テクニックも大事ですが、応用を応用として使うんじゃなくて基本を応用として使える人創作分野以外でもは本当にすごいと思います。

まとめ

いかがでしたか?

かなりのロングランだったすずめの戸締りでしたが、それもうなずける内容でしたよね。

こんな素晴らしい作品を送り出して、ハードルは上がるような気はしますが次回作も期待大ですね!

というわけで長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
次はnoteだけでなく、YouTube、Twitter、カクヨムでもお会いできると嬉しいです!

それではよい人生を!

画像引用:©「すずめの戸締り」製作委員会
https://suzume-tojimari-movie.jp/

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