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赤ちゃん化プロジェクト

こんにちは。


今日は、去年から個人的にゆる~く取り組んでいる「赤ちゃん化プロジェクト」について書いてみようと思います。


赤ちゃん化プロジェクトとは


目指していることはとってもシンプルで、「赤ちゃんの目で世界を観ること」です。

ポイントのひとつは、赤ちゃんになりたいと思っているわけではまったくないということ、あくまで、赤ちゃんの目を獲得してみたいだけ、という点です。


分人主義的な、自分の中に赤ちゃんの自分も育ててあげることができたら絶対おもしろい、そういう発想です。たとえば、学んできたことをすっかり忘れて自分が丸ごと赤ん坊になりたいという意味ではありません。


このプロジェクトは、僕が勝手に自分のテーマのひとつとして取り組んでいるだけのものでした。しかし、よくよく考えていると、いろんな人が似たようなことを別の呼び方でやっているんだなと最近気づけたので、それについては次の見出しで書いてみます。



それでは、本題に入ります。

当然のことながら、生まれたての赤ちゃんは言葉を持ちません。言葉を持たないということはつまり、世界を秩序立てて分節化するということがまったくなされていない状態に生きていると言えると思います。

混沌とした状態、カオス、さまざまな刺激の場、そんな言葉で表されたりもするかと思います。


私たちは、言語を獲得していく過程の中でカオスの中に様々な概念や秩序を見出し、それを基準に世界を観るように自然となっていきます。

でも、それらの概念や秩序はおそらく人間の理性の範疇でしか生み出せないことだし、そこに概念を主として扱う学問である哲学の限界があるようにも思えます。

また、そういった概念や価値観はその時代・その場所に固有のものも少なくありません。前に書いた中動態の世界など、その典型に思われます。


社会の中で生きていくために、その環境で共有されている概念や秩序を知り、身につけることはある程度必要なことだと思いますが、それは言ってみれば色のついた眼鏡をかけていくことです。


僕がここで使っている”赤ちゃん化”とは、色のついた眼鏡外していく過程ということになると思います。


もちろん本当にまっさらな状態にはなりませんが、以前より一段階でもいいからそこに近づいてみたい、そうできたら面白そう、と感じてます。


ただ、厳密には


アンラーン、学びほぐし


で、実際自分はそれを赤ちゃん化を意識してどういうことやっているんだろう?と考えてみると、アンラーン(学びほぐし)に近いんじゃないかと、最近になって気づくことができました。


アンラーン(unlearn)とは、自分が正しいと思っていることに固執せず、思考習慣・慣習等を手放していくこと


この記事では、仏教の諸行無常(すべてのものは移り変わっていく)を絡めてアンラーンのとっても本質的なことがわかりやすく説明されているように思います。


そして、記事には「越境学習」や「違和感に着目する」というキーワードが出てきますが、まさしくこういったことに日々取り組んでいるなあという実感があります。


境界を曖昧にする、境界を越えていく、モヤモヤを小脇に抱えながら生きる、ネガティブ・ケイパビリティ、などの言葉を使って同じことを捉えていたような、そんな発見がこの記事から得られました。


國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』に、ユクスキュルの環世界という概念を用いて、人間は他の動物と比べて異なる環世界を身軽に移動できる存在なのではないかという話があり、それに興味を持ったこともクロスオーバーしていたんだなと、今になって気づかされたような気がします。


もうちょっと具体的な話にしてみると、以前書いたこのnoteがひとつのわかりやすい例だなと思うので、貼っておきます。


この記事で僕は「檻から抜け出していく」という表現をしましたが、絡まり合っている糸をときほぐしてあげるとか、そういう優しい感じにしておけばよかったなあと思いました。今後はそんな感じの言葉を使えるようになりたいです。



始めたきっかけは、どういうわけか忘れてしまったのですが、今になって思えば、「人が生きるっていうのはどういうことなんだろう?」という問いについて考え続けている僕が、赤ちゃん化プロジェクトを始めたのは必然的な流れだったように思います。


この旅は、どこかにゴールがあるわけではなく、どこまでも続いていく類いのものです。


ゴールに到達する喜びを噛みしめるというよりは、むしろ、日々の瞬間瞬間で「世界はこうやって観ることもできるのか、おもしろい!」という感覚を味わう人生を歩むのが自分に合っているなあと感じるので、方向性はきっと正しいはず。


最後まで読んでくれたみなさん、ありがとう。















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