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扁桃炎とは 【今日の医療知識 vol.20】

1.扁桃とは

鼻や口から体内に細菌が侵入することを防いでいるリンパ組織のこと。
のどの入り口を囲むように存在し、
咽頭扁桃・耳管扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃の4つがある。

口蓋扁桃は、6~7歳で大きさが最大になり、
その後徐々に小さくなり、大人ではほとんど分からなくなる。

2.扁桃炎とは

細菌やウイルスに感染することが原因で、
扁桃に炎症が生じている状態。

代表的な細菌・ウイルスは、溶連菌。
溶連菌による扁桃炎では、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を併発することもある為、注意が必要。

両側性のこともあれば、片側性のこともある。
何度も繰り返すと、慢性化し、習慣性扁桃炎となる。

その他原因として、過労、ストレス、飲酒、たばこなど。
長嶋茂雄さんは、タバコをやめたことで扁桃炎が治ったらしい。

3.症状

発熱や全身倦怠感など、風邪の諸症状に加え、
喉の痛み・物を飲み込むときに痛みを感じるようになる。

急性扁桃炎が進行すると、口蓋扁桃の周囲に炎症が及び、
扁桃周囲炎を生じることがある。
そこに膿が溜まり、腫瘍を形成することで、扁桃周囲腫瘍となる。
腫瘍が進展すると、頚部が腫れ、口も開けにくくなる。

溶連菌に関連した扁桃炎では、
腎臓や心臓に合併症が生じることがあり、
血尿や息切れ、心雑音などがみられる。

4.検査・診断

のどの観察と検体採取。
周囲組織に炎症が波及していることもある為、
CTなどの画像検査を行い、チェックすることもある。

合併症の有無を評価する為に、
血液検査や尿検査、心臓超音波検査が検討される。

5.治療方法

抗生物質・抗菌薬での対応がメイン。
痛みや発熱に対しては対症療法として、
解熱鎮静剤を使用することがある。

食事が取れない場合は、入院の上、抗菌薬の点滴を行う。
膿の排泄を促すために、ドレナージ処置が行われることもある。
扁桃炎の頻度が再発頻度が高い(年に3~4回以上)場合は、
扁桃摘出術が最適な治療法となる。

6.参考


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