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リウマチ熱とは 【今日の医療知識 vol.30】

1.リウマチ熱とは

リウマチ熱とは、A群連鎖球菌に感染した後に続発する炎症性の合併症。
A群連鎖球菌の治療が不十分だった際、その一部に発症する。

A群連鎖球菌の感染症:咽頭炎、猩紅熱など

A群連鎖球菌を撃退する為に作られた抗体が、
時に心臓や関節などを攻撃してしまうことがあり、
その結果、リウマチ熱を発症すると考えられている。

4歳~10歳までの子供に多い。
また、日本ではほぼ見られず、発展途上国で多くみられる。

リウマチ熱自体は他人にうつることは無いが、
A群連鎖球菌は周囲にうつる可能性がある為、注意が必要。

2.症状

A群連鎖球菌に感染後、2~3週間後にリウマチ熱が発症する。
発症した時は、原因となっているA群連鎖球菌は体内にいないことが多い。
初期症状として、関節痛と発熱がよく見られる。

関節痛
患者さんの約7割に現れる。
突然痛み出し、熱をもち、腫れて赤くなる。
移動性の多発関節炎が特徴。
一つの箇所の痛みは1日で無くなるが、
翌日には別の箇所の関節が痛む。

発熱
診断基準は、39度以上。

心臓の障害
一般的に、心臓の炎症は5か月以内に徐々に消えていく。
リウマチ熱で心臓が侵されると、
心臓が影響を受けることが多く、心臓弁膜症にかかる。
一番損傷を受けやすいのは、左心房と左心室の間の弁(僧帽弁)。
僧帽弁逆流症や僧帽弁狭窄症が起きたりする。

舞踏症
神経に異常が起こり、不随意運動が起こる。
学童期の女児に多い。

3.検査方法

血液検査
感染していた証拠を得る為や
炎症の度合い(リウマチ熱の活動度)を評価する為に行う。

心臓の検査
僧帽弁や大動脈弁の逆流の有無や程度を確認する為、
心臓エコー検査を行う。
心臓の電気信号の伝わり方を確かめる為、心電図を行うこともある。

4.治療

早期にペニシリンを使って治療すれば、予防できる。
(4歳未満はリウマチ熱になりにくい背景があるので、要確認)
ペニシリンアレルギーの際は、マクロライド系を使用する。

また、それぞれの症状に対して、
ステロイドや消炎鎮痛剤、抗けいれん薬を使い分ける。

5.参考


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