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前立腺肥大症とは 【今日の医療知識 vol.22】

1.前立腺肥大症とは

前立腺肥大症とは、前立腺が肥大し、尿道を圧迫し、
様々な排尿の症状を引き起こす病気。
尿道周囲の内腺に発生する。

良性疾患であり、進行して悪性の前立腺がんに変化することは、
無いとされている。
ただし、前立腺がんから前立腺肥大症が発症するケースはある。


2.原因

まだはっきりとは解明されていないが、
男性ホルモンの分泌バランスの加齢による変化が原因と考えられてる。
50代以降の中高年層でその傾向が顕著に現れる。

肥満や高血圧、高血糖および脂質異常症などの
生活習慣病全般の関連も指摘されている。

3.症状

排尿障害
「尿の勢いが弱い」
「尿が出始めるまでに時間がかかる」
「尿が分かれる」
「排尿の途中で尿が途切れる」
「尿をするときに力まなければならない」

畜尿障害
前立腺肥大症では、多くの場合、頻尿が見られる。
切迫性尿失禁。

排尿後障害
残尿感。排尿後尿滴下。

4.合併症

肉眼的血尿
尿道粘膜の充血がおこり、前立腺部の尿道粘膜から出血する。

尿路感染
膀胱内に残尿が残るようになると、尿路感染が起こりやすくなる。

尿閉
膀胱内に尿が充満しているにも関わらず、尿が出せない苦しい状態。
前立腺が大きいほど起こりやすく、飲酒や風邪薬の服用も頻度の多い原因。

膀胱結石
膀胱内に常に残尿がある状態が長時間続くと、結石ができる。

腎機能障害
膀胱内に多量の残尿が残ったり、排尿障害のために膀胱壁が厚くなると、
腎臓から膀胱への尿が妨げられ、腎臓が腫れ(水腎症)、
腎不全になることがある。

溢流性尿失禁
膀胱内に常に多量の残尿が存在し、これ以上尿が貯めれなくなり、
ダムからあふれるように、ちょちょろと尿が出続ける状態。

5.検査

必ず行う検査
・自覚症状の評価…「国際前立腺症状スコア(IPSS)」
・直腸内指診
・尿検査
・尿流測定(ウロフロメトリー検査)
・残尿測定
・血清PSA測定
・前立腺超音波検査

症例を選択して行う検査
・排尿日誌
・尿流動態検査
・血清グレアチニン値の測定
・上部尿路超音波検査

6.治療

必ずしも必須ではない。
自覚症状が軽度であれば、経過観察で様子を見ればいい。

主に、薬物療法、手術治療、保存治療の3つがある。
基本的には薬物治療となるが、
合併症が見れらる場合は、手術による治療が行われる。

手術療法
開腹手術によって肥大した前立腺の全摘出することもあるが、
通常は、尿道から内視鏡を挿入して行う手術が行われる。
・経尿道的前立腺切除術
・ホルミウムレーザー前立腺核出術
・レーザー前立腺蒸散術

7.参考



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