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足の裏で感じる作家性ー秋野不矩美術館・藤森照信ー
お晩でございます
今日は先日の旅行で衝撃を受けた秋野不矩美術館の感想を記事にします
私は大学の頃からよくいろんな建築を見に出かけてきました
もちろん毎回それぞれ学びはありますが、
ごくたまに、ガツン!!!と強い衝撃にぶち抜かれます
これまでに衝撃を受けた建築
地中美術館
谷村美術館
秋野不矩美術館
菅野美術館
こう見ると美術館ばかり、、
それぞれどんなふうに衝撃を受けたかを記事にしたいなと思いますが
まずは直近の秋野不矩美術館を振り返ります
長いアプローチ
美術館も茶室も道路の入り口からずっと見えているのですが
長いアプローチを歩きながら
少しずついろんな表情を見せる建物にワクワクがどんどん増えていきました
道路の入り口と建物を直線で結んだら近いのに
わざわざ長ーいアプローチを取っていることに、
あの世界観を支えた深い作用があるのだと思う
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靴を脱いで展示室へ
靴を脱いで展示室へ入る美術館て珍しいですよね
足の裏で建築を感じる経験も少ないと思う
展示室が変わると床の素材も変わって
「ざらざら」や「つるつる」がとても心地よかった
美術館なので作品に触れることはできないけれど、
足の裏にも触覚があるんだ!と当たり前のことに気付かされた
また、リラックスして作品をより近くに感じられ、
日常生活のオンオフに靴の脱ぎ履きが伴う日本人特有の心理的作用もあったのかも
建物全体で作家性を表現
建物は外観も内観もざらざらした荒々しい雰囲気なのですが、
それは秋野不矩さんの作品の雰囲気を表現しているのだと
館長さんが教えてくださいました
不矩さんの作品の質感に合わせて
建物全体も荒々しい印象になるよう、
素材や仕上げを計画したそう
細かくは美術館に行ったら館長さんがきっと詳しく教えてくれるとけど
ここまで作品に合わせた美術館ってなんて贅沢なんだろう!
ここまでお客さんのために建築が寄り添うことができるんだ、
という衝撃がありました
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おおらかな建築ってすごく好き
私が好きな建築家の1人に坂茂さんがいるのですが、
理由は坂さんの建築ってあたたかくておおらかな空気を感じるから
秋野不矩美術館もおおらかな建築だと思った
特筆すべきはセキュリティのおおらかさ
裏庭の方にも自由に行くことができるし、
なんなら「裏に回ってそっちからも建物を見てごらん」
とスタッフの方が言ってくれる
(裏庭には普通に入れない扉があるし
管理用のハシゴなどが転がっている)
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今にも動き出しそうな茶室ー望矩楼ー
美術館の敷地内には望矩楼という茶室があるのですが
これは美術館の20周年を記念して建てられたそうです
望矩楼にまつわる話を館長さんに伺い、これまた度肝を抜かれます、、
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この茶室、3本足で空へ向かってぐーッと立っている姿が印象的ですが、
計画段階では足が4本だったそうです
最後に藤森さんが茶室の脚を3本に変更した理由は、
格好悪いから
、、、!?
おかげで一般公開ができず、
中に入ることができるのは、
藤森さんか秋野不矩さんのご遺族がいらっしゃったときだけなんだ
と館長さんがおっしゃってました、、
なんだそれかっこ良すぎる、、
確かにあの脚が4本だと想像すると、
ちょっと堂々としすぎる、
安定感が出過ぎる
3本だから生き物のような愛らしさがあるし
あの場にしか居えない感じがするんだと納得しました
かっこいい
藤森さんのそのセンス、美意識、精神、美学、、胸を打たれた
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得たもの
帰り、坂道を下っているとき
旅程がまだ半分以上も残っていたにも関わらず
胸がいっぱいすぎて
もうこのまま家に帰ってもいい
むしろ帰りたいとまで思いました
秋野不矩美術館を去るとき私は
この場所を訪れる前とは違う人間になったような感覚がありました
(おおげさ)
学生から社会人に移るとともに芽生えてきつつあった
建築をつくることに対する窮屈さとか
”諦め”のようなものが払拭されていたのです
「もっと自由に追求しよう、幸せな建築を」
おまけ:そのためには
学生時代、設計課題に取り組みながらあんなにワクワクしながら自由に考えられたのは
構造や法規やお金のことや耐久性やあれやこれや、
全てを「知らないから」こそのものだった
実務ではたくさんの制約があるから
自由に考えられなくなるんだと思ってた
でも実務で自由に考えて良いものをつくるには
手法を知って、いい選択ができることが必要で、
今まではその努力を怠っていただけなんだと気がついた💡
だってこんなにいい建築が実際に存在している!
建築に足を運んで
感じて調べて吸収して、
コップが一杯になるまでインプットしてアウトプットして
そしたらコップを大きくして、、
そんなふうに感じることと学ぶことを続けていきたい
えー、すっごいハッピー!🌎✨
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以上、たくさん書いちゃいました
まさか最後まで読んでくれた人などいるまいな(๑・̑◡・̑๑)
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