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[本]2023年に読んだおすすめの本

 明けまして、おめでとうございます、麒麟竭です。今回は、2023年に読んだ本でおすすめのものを紹介しようと思います。


Introduction

 ふと本を読もうと思ったとき、きづいたら一度読んだ本を再び読んでいる。新しい本を読もうと、本屋に行くと、気づいたら、文庫本コーナーのいつも読んでいる作家の方の所に立っていることが多い21歳のこのごろです。熱心に聞いている音楽でも、新しいので4年前とかなんですよ。そろそろ新しいものを開拓しないといけないなあと思います。

独白するユニバーサル横メルカトル

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334745264

中古本屋でなにげなく手に取って読み始めた一冊。ダークな雰囲気で変わった語り手から語られるスカトロ、グロ、もろもろ詰まった短篇集。世界観は世紀末のような現代。どの話も面白いんですが、おすすめは最初のニコチンと少年から無垢の祈りまでの3つ。いじめられた事などはないのですが、無垢の祈りの少女にはなぜか感情移入できて、少女の行動が理解できてしまう悲しさ。この本のゾクゾク感が癖になるんですよ。

小説家のメニュー

ベトナムの戦場でネズミを食い、ブリュッセルの郊外の食堂でチョコレートに驚愕。味の魔力に取り憑かれた作家による世界美味紀行。〈解説〉大岡 玲

https://www.chuko.co.jp/bunko/2003/08/204251.html

 こちらも中古本屋で買った一冊。エッセイのような形で、筆者の開高健さんが食べてきたものを珍味•美味、、のように分類して紹介する176pの本です。面白いのは、俗に開高節と呼ばれるこの本の書かれ方でどこか面白おかしいような、まるで居酒屋で知人の学者からウィットに富む話を聞いているよう(そんな経験ないけど、どこかのレビューの言葉をお借りした)。海外に行ってみたいと思いました。

参考

法廷遊戯

第62回メフィスト賞受賞作!

法律家を志した三人の若者。 一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った──謎だけを残して。

法曹の道を目指してロースクールに通う、 久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、 彼らの周辺で不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して──?

https://houtei.kodansha.co.jp/

 メフィスト賞受賞作品を眺めていてみつけた一冊(最近映画になったらしい)。正直、この本の序盤はあまり面白くなくて、最初で読むのを投げ出す人もいるのが少し惜しいかなあ。また、最近よくある若い仲良し(?)男女がストーリーの中心人物でお互いを助け合うというパターンで嫌な人には嫌かも。ただし、ストーリー自体はすごくよくできている。筆者の方が、法に詳しい方なので、専門的な用語できっちりかっちりしているし、論理もちゃんとしている。"日本の刑事裁判の有罪率は、約九十九・九%"と本書の中で繰り返される表現が、終盤の状況をより一層絶望的にしている。馨ゥ…

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