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野球観戦

こんなご時世のため、もうかれこれ3年はディズニーリゾートに行ってない。
私は首都圏生まれのナチュラルボーンシティボーイなので、以前は年一くらいのペースでTDRに通っていた。
最後に行ったのはソアリンが出来た時だ。あれは本当に感動した。現状、TDRの中で一番好きなアトラクションになっている。未乗車の方がいるならば今すぐチケットを予約し、ソアリン搭乗に命を懸けていただきたい。
こんな記事を書いていると行きたさに火が点いてしまう。またソアリンに乗りたい。餃子ドッグ食べたい。エッグ&シュリンプ味のスプリングロールが食べたい。ポップコーンも食べたい。私はTDRでは爆食するタイプなのだ。あそこでしか味わえない物が沢山あるのだ。
あぁ食べたい食べたい。

そんな状態の私に友人から一報届いた。
「野球見に行かね?」
突拍子もない誘いだった。
さっきまでディズニーについて書いていたのに、急に野球の話になるくらいの突拍子なさだ。
野球なんて幼い頃に家族で一度見たきりだったし、ルールもよくわかってない。第一、特段野球が好きという訳でもない。そんな私を何故?
「一緒に行こうとしてた奴が来れなくなっちゃったんだよね。」
よくわかる解説である。それなら頷ける。一軍の奴が来れなくなり、二軍の私を急遽招集したという訳だ。バッター変わりまして、代打KirinGood君という訳だ。
ということで野球を見に行くことになった。ゾゾマリンスタジアムで行われるロッテ対ソフトバンク戦である。
本当はTDRに行きたかったが仕方がない。よくよく考えれば舞浜駅と海浜幕張は近いし、場内にいる人の数も同じくらいな気がする。餃子ドッグはないが、ポテトや唐揚げくらいはあるだろう。座席のシートもアトラクションと似たようなもんだ。これはもうTDRの一部と言っても過言ではない。東京ディズニースタジアム開園だ。遊びの限りを尽くしてやるぜ。
そんな気持ちで当日を迎えたのである。

曇ってはいるが暖かく、風が心地よい日だった。初の野球観戦がこのような気候とは非常に幸先よろしいことである。我々が応援するロッテ軍も勝利を納めてくれそうな予感がする。
入場してみると座席はほぼ満席で、思っていたよりは和やかな雰囲気だった。野球ファンというものは野犬のように獰猛で攻撃的だと聞いていたので拍子抜けだった。
しばらくするとチアガール達が応援パフォーマンスを始めた。これはもう完全にTDRである。というか寄せていってるだろ、TDRに。観客が多くてパフォーマンスがあるなんてTDRと完全一致だ。DNA鑑定さえすれば、ゾゾマリンがTDRの子供だと証明出来るはずだ。こんなにおめでたいことはない。いやあホントに来た甲斐があった。
その後両チームの選手紹介を終え、いよいよ試合が開始された。せっかくだから勝ち試合を見てみたい。選手の皆さん、私のためにも今日はひとつ、お願いしますよ。
そんな思いとは裏腹に初回からピンチを迎えてしまう。相手のヒットやらこちらのフォアボールやらでランナーが溜まっている。今にも失点しそうな雲行きだ。こんな調子だと空模様までも怪しい気がしてくる。さっきまでこんなに暗かったか?今にも雨が降り出しそうだ。
しかしエースのピッチングにより、初回は無失点で切り抜けた。ファン一同ホッとした気持ちである。流石エース、よくぞ抑えてくれた。
試合が動いたのはその直後である。ロッテの攻撃、ツーアウトランナー三塁の場面。
カキーン。
快音が響く。ツーランホームランである。
「「「「「うおーーー!!!」」」」」
スタジアムは大熱狂である。隣で友人が踊り狂っている。まさか初回からホームランが見れるだなんて。ホントに来た甲斐があった。興奮冷めやらぬままに次のバッターが打席に入る。
カキーン。
さっきと似たような音。今度はソロホームランである。
「「「「「うおーーー!!!!!!」」」」」
何が起こっているのかわからない。フロアのボルテージは最高潮だ。ここが世界の中心だ。ロッテファンは踊り狂い、ソフトバンクファンは泡を吹いて死んだ。
二連続でホームランだなんて、今時マンガでもやらない展開だ。長くロッテファンを続けている友人も信じられないといった様子である。
攻撃はここで終わったが、初回でなんと3点リードである。この試合、すでにもらったも同然。雲に切れ間ができ、マウンドに光が射し始めた。御天道様すら味方につけたロッテ軍に、もはや怖いものなどない。

続く2回表、またもやピンチである。3点先取で流れに乗るかと思っていたが、そんなに甘くはないようだ。スタジアム中に何となく嫌な予感が漂っていた時。
カキーン。
またこの音か。スリーランホームランである。
「「「「「うおーーー!!!!!!!!!」」」」」
ソフトバンクのファン共がよみがえった。
一瞬で同点にまで追いつかれてしまった。友人は溜息をつき青ざめている。前のおじさんは舌打ちが止まらない。
おじさんのみならずソフトバンクの打線も止まらない。ボコスカとヒットを連発し、結果的にこの回だけで5点を失った。
あんなに盛り上がっていた応援席は急転直下で地獄と化していた。最早TDRがどうとか言える空気ではない。友人は試合ではなくTwitterを見ており、前のおじさんは荷物をまとめ始めた。
2回裏を無得点に終わってしまったところで軽食を買いに行くことにした。餃子ドッグは当然なかったため銀だこを購入し座席に戻ると、スコアが1点差に縮んでいた。3回裏にまたもやソロホームランが出たようだ。ホームランのみで得点するのがロッテの野球らしい。
その後は銀だこを貪りつつロッテがボコボコにされるのを見ていた。どす黒い空から雨が降り始めたところで試合終了。結果は4-10。10点も取られてしまうというのは、ボコボコ界隈でも相当なボコボコ具合ではなかろうか。

リンチの現場を眺めているような結果になってしまったが、どちらのチームにもそれほど入れ込んでない私からすると、ポンポン点が入って楽しめる試合展開であった。野球観戦初心者にはかなり良い内容だったのではないだろうか。
次の機会があれば勝ち試合を見に行くか、そうでなければソアリンに乗りに行きたい。

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