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便座の蓋をあげたままにしている先輩②

便座の蓋をあげたままにしている先輩がいる。

お客様が便座にすみやかに座れるよう、蓋をあげたままにしていると。

先輩は、せっかち、早口、極度の心配性だ。

自身でせっかちであるのは自覚しており、酉年だから仕方ないと豪語している。

酉はバタバタしてるでしょ、

だから治らないの、と。


閉店業務に、パソコンやエアコン、店内の電気を切るという業務がある。

先輩はこの作業を何度も何度も確認している。

ちゃんと電源が切れているか、指さし確認、声だし確認を何度も行っている。

どうして、そんなに確認するんですか?

というわたくしの問いに、

火事になったらこわいから、と先輩。

はたからみれば、少し異常だ。

まるで、幼き頃のわたくしを見ているよう。

今となっては異常行為はなくなったが、家を出る前、何度も目覚まし時計を確認していたことを思い出す。

外出している間、目覚まし時計が鳴り続けていたら・・・。

なんて強い不安に襲われ、何度も何度もベルがオフになっているか、気が済むまで確認をしていた。

今の先輩は、幼き頃のわたくしの行為とリンクしている。

先輩は、寝る前、スマホの目覚ましの設定を何度も確認しているらしい。

やはり、幼き頃のわたくしと同じ。

これでもだいぶ丸くなった、と先輩は言う。


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