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新しい環境が今でも苦手

幼き頃から春という季節がとても憂鬱だった。

お別れの季節でもあり新しい出会いの季節。

私にとって春はとってもエネルギーが消耗される季節だった。

中学に入った時も高校に入った時も専門学校に入った時も初めての仕事に就いた日も、その環境に行きたくなくて、毎日母親にだだをこねていた。

母親は新しい環境に飛び込むことが好きだと私に言った。

新しい出会いにわくわくしたものだと。

新しい人や、環境に一度もわくわくしたことはない。

圧倒的に不安と恐怖が勝っていた。

友達ができなかったらどうしよう、ずっと独りぼっちだったらどうしよう。

何事もマイナスに捉えてしまうクセは幼きころから根強く残っており、今でも新しい環境や新しい人との出会いが億劫でしょうがない。

しかしその億劫さの程度は年々軽くなっている。

今回の職場は人が少ないということもあるのだろう。

気にしなくてもいいことを気にしてしまう対象がこれまでに比べるとかなり少ない。

今回の新しい環境は少しわけが違っている。

これまでの職場は病院、介護施設といった大きな組織の中でたくさんのスタッフに埋もれて働いていたが、現在勤めている職場は5人ほどである。

シフト制なので実際に一緒に働くのは3~4名といったところか。

人数が少ない分、一人一人との関係は密になっていくだろう。

人数が少ない分、一人の人間の動きが大きく目立ってくるだろう。

母親のように新しい環境や出会いにわくわくすることはないのだろうか。

そんなこんなで新しい環境での挑戦がすでに始まってしまっている。


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