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人になにかをおすすめしないようにしている

「これおもしろいからみて!」と言われてすでに嫌な予感がしていた。

その人の態度は絶対に私が笑ってくれるだろう、期待を裏切らない反応をしてくるに違いない、と確信しているのがギンギンに伝わってきた。

本当におもしろいのだろうか、相手の期待通りの反応ができるのだろうか。

すでに顔がひきつっていたと思う。

相手が例の動画を見せてきた。


うまく笑えなかった。

爆笑している演技もできず、微妙な反応となってしまった。

本心としてはおもしろくなかった、のだ。


このような状況に出くわすと、これからの相手との関係が心配になる。

さらにひどくなると決まった自己嫌悪に。

そうとはいえ、本当に心からおもしろいと思える物をすすめられたり、見せられたりすることもある。

その時は演技する必要もなく、心から笑ったり感動している自分を示せるのだが、基本的に「これ、おもしろいよ!」と言われると、かなり構えてしまうクセがある。

なにかおすすめされたり、絶対に見た方がいいよ、と言われて素直に受け取れることができればいいのだが、どこか警戒したり自分のこりかたまった価値観で、はなっから排除してしまう傾向もある。

そういった理由もあり、自分から他者に「これおいしいから食べてみて!」や「え、トップガン見てないの?」なんて当たり前のように言わないようにしている。

その人が見たいものを見たいタイミングで見ればいい、食べたいものを食べればいい、という考え方だ。


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