見出し画像

コートネームが恥ずかしい

中・高、バスケ部だった。

6年間ずっと補欠。

好きでもないのに、よくもまぁ、地獄の練習を毎日耐え忍んでいたと思う。

それでも辞めなかったのは、根性なしと思われたくなかったから。

その一心でやっていた。



高校バスケ部の時。

コートネームという実名ではない呼び名があった。

コート上で呼び合う、部員同士で呼び合う名前だ。

バスケ部に入部すると、3年生が考えてくれたコートネームが与えられる。

ハル、リエ、ウミ、アキ、メル・・・

コートネームは基本2文字。

呼びやすいから2文字なんだろう。

わたくしのコートネームはルカ。

ルーズボールを追っかけろ、

という意味が込められている。

最初のルーズボールのルと、追っかけろのかの部分をとってルカだ。



コートネームが発表された時、違和感しかなかった。

恥ずかしくて受け取りたくなかった。

反バスケ部であるわたくしにコートネームなんぞ与えてくれるなと。

補欠であるわたくしにそんなものはいらないんだと。

実名でいいじゃないか。

源氏名じゃあるまいし。


バスケ部は、部活以外の場面でもコートネームで呼び合っていた。

教室や廊下ですれ違うと、

ルカ!

と呼ばれる。

その名前で呼ばないでくれと、何度も思っていた。

名前を呼ばれるだけで、こんなにも気持ち悪さと恥ずかしさを覚えるなんて。


自ら、

ルカです、

なんて絶対に名乗らなかったし、バスケ部以外の友達にはコートネームで呼ばないで、とお願いをしていた。

そんな反抗心にまみれた3年間だったなと。



今でも、コートネームが受け入れられないままでいる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?