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お弁当の汁漏れで不貞腐れる

小学校の遠足の時の母親が作ってくれたお弁当を思い出す。

みんなで楽しくおしゃべりしながら目的地へ移動。

なんだかお尻が湿っているなと感じ、リュックの底に目をやると、楕円のシミができ、お弁当の汁が漏れていることに気付く。

その次の遠足では、お弁当が傾かないよう逐一リュックの中身を確認しながら移動。

今日は漏れていない、と安心したのも束の間。

目的地に到着し、リュックからお弁当をとり出すとやはりリュックの底がお弁当の汁で汚れている。

汁漏れしたお弁当を見るたびに食べる気が失せ、心から遠足を楽しめたことがない。

なぜ、わたしのお弁当はいつも汁が漏れるんだ。

その怒りを母親にぶつけた記憶はないが、おそらくわたくしのことなので怒りちらかしたことはあるだろう。

いつもお弁当作ってくれてありがとう、

なんて感謝の気持ちはみじんもなく、汁が漏れる弁当しか作れないのかと不貞腐れていた。

高校生になり、母親にお弁当を作ってもらう機会が再び到来した。

小学校の頃の経験があってかお弁当箱は、ビチビチにサランラップで巻かれていた。

それでも汁漏れをしていたので、さらにビニール袋に入れてカバンに入れていたのを思い出した。


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