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あってよかった商店街

私の家の近所には商店街がある。

皆の商店街のイメージは、どうだろうか?
お年寄りの憩いの場、奥様方のショッピング街、シャッター街といろいろなイメージがあると思うが、私は、近所の商店街に子供向けのテーマパークといったイメージがある。

私の近所の商店街は、子供が楽しめる要素が沢山あった。
それを、今日は紹介したいと思う。

まずは、エントリーナンバー1、格安肉料理だ。
近所の商店街には、肉屋が3軒ほどあって、どこもそれぞれの強みがあった、1軒は唐揚げがバカ安くて、100g100円でめちゃくちゃにうまい唐揚げが食べれた。1軒は店先で焼いてくれる焼き鳥が1本80円とめちゃ安なのに、塩とタレが選べたのだが、あり得ん量かけて焼いていたから味が濃くておいしかった。もう一つは、カツが200円で分厚くて食べ応え抜群だった。
そんな感じで、子供の我々でも手が出せる範囲で長時間遊んでいても、いつでも遊びながらウマい飯が食えていたのだ。

食べ物と言えばこれも欠かせないだろう。
エントリーナンバー2 駄菓子屋だ。
ここは、商店街でも最も人が集まると場所であり…というより、説明不要だろう。
子供はお菓子が大好きだ、しかも、当時価格だから、腹がはちきれるレベルで買っても200~300円だ、これ以上は何も言うまい。

さて、ここからは娯楽部門になる。エントリーナンバー3、おもちゃ屋。
商店街と言えばこれがあるかないかで評価が大きく変わるであろう、おもちゃ屋。我々の商店街のおもちゃ屋はというと、すごかった。
棚にびっしり積み上げられた玩具たちと、レジ近くにおいてあるTCGが見ているだけでも天国だった。
しかも、おじちゃんがめちゃくちゃにいい人で、一緒に手持ちのベイブレードをやってくれたり、店先に机と長椅子をおいてくれていて、知らん子供同士でデュエルやトランプができた。それゆえ、そこに一日入りびたる少年も少なくはなかった。

最後に、エントリーナンバー3、花屋。
いや、子供と花屋は関係ないやろ、と思う人もいるかもしれないが、我が商店街の花屋は一味違う。
なんと、アーケードゲームが置いてあるのだ。しかも、1回20円。対戦格闘ゲームはもちろん、シューティング、有名なものだとメタルスラッグなど懐かしのレトロゲーが所狭しと置かれていた。
私は、昔からゲームが大好きだったので、ここでクリアするまでやったゲームも少なくはない。
とにかく暇になったらここを覗けばかならず面白いゲームに出会えるといっても過言ではないほどである。

そして、最後、というより、番外編にはなるが、イベントだ。
子供祭りという名目で、大広場でプロジェクターでアニメーション映画を放送してくれたり、祭りで大々的に面白いものが売り出されたり、結構な頻度でイベントが行われ、近所の子供たちは集まって騒いでいた。
私も、七夕の日の夜にみた「七夜の願い星 ジラーチ」がいまだに忘れられないレベルで印象に残っている。
そう、やはり子供はイベント事が好きなのである。

さて、これだけ魅力を語った商店街なのだが…現在はすべて潰れてしまっている。
私は、中学2年生くらいから、商店街離れしてしまったのだが、ここ最近商店街を訪れたら昔の影は見るも無残になくなってしまっていた。
悲しいのもあったのだが、それ以上に、あれだけ夢のような場所だったとしても、いつかはなくなってしまうこともあるということに無常を感じたものだ。

今、最高に楽しいと思うものも、少し目を離したら、すぐ変わってしまう、世の中にはそういうこともあるんだなと、大人になってからも、感情を揺さぶってくる商店街なのでした。

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