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「王家の紋章」

2017年7回目の観劇。
有名な少女マンガのミュージカル化。初演は観に行けなくて凹んでいたんですけど、なんとか再演は観に行けました。リーヴァイさんのつくる歌はやっぱり神ってました。

宝塚でコスチューム系には慣れているし、2.5次元舞台は割り切ってみれるんですけど、帝劇でめっちゃコスプレされると一瞬ひるみますね......。浦井さんがめっちゃファラオ(笑)で慣れるまでしんどかった。おみ足がね...。ひざ辺りまで見えてるんですよね......。ポスターでは気付かなかったけど。あと、伊礼彼方の髪型ね。なにあのストレートサラサラヘアー。おもしろすぎる。

アメリカ人少女・キャロルは、エジプトで友人や恋人共に考古学を研究していた。ある日、ピラミッドの発掘が行われることになるが、それは古代エジプトの王・メンフィスの墓だった。その直後、キャロルのもとに現れた謎の美女・アイシス。弟メンフィスを愛するアイシスの呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。
彼女を待ち受けるメンフィスとの出逢いや様々な試練、そしてエジプトを狙うヒッタイト王国の王子・イズミル―。数奇な運命が、キャロルを歴史の渦へと巻き込んでいく―。


あらすじはこんな感じ。
無垢な現代っ子が古代エジプトにタイムスリップして、ファラオやその他大勢に理由なく愛されちゃってどうしよ〜〜みたいな、少女漫画展開ですね。

ビッグフィッシュ以来、生で観るのは2回目の浦井さん。歌うっま〜〜〜〜。姿はおもしろいけど、慣れるとやっぱりかっこいいです。でも、メンフィスさまがなんでキャロルを好きになったのかずっと謎でした......。
浦井さん自身はすごくふんわりしてて天然でかわいいのに、メンフィスさまは傲慢で怖くて、ギャップが良いですね。キャロルに落ちてからはなんだか急に素直になって。すごく少女マンガ的胸キュンポイントがたくさんありました。
とくに、キャロルとの身長差が黄金比!って感じで、抱きしめてるシーンは眼福でしたね〜。めっちゃいい具合に収まってて。
マントを上手く活用して包み込んでる感じもすごく素敵でした。

メンフィス様がキャロルに対して言うセリフの中で一番良かったのは、「わたしを見て、初めて笑ったな。もう一度、笑え」です。
微笑みながらですよ!あのメンフィスがデレたんですよ〜。
感想をネットで見てたかぎり、初演よりもキャロルとの幸せシーンが多いらしい。良い改編ですね。

濱田めぐみさんは、ほっっっっっっっっっっんとに歌上手い。濱めぐさんが歌うと、ぞわわ〜〜って鳥肌立ってしまって。毎回。演技も大迫力で。あゆっち(愛加あゆさん/ミタムン王女)を陥れるシーンはすっごく怖かったけどかっこ良かったし、怪しくて美しかったですね。
しかも、濱めぐさんファラオメイクがすごく似合ってて。素顔が薄めだから、濃いアイメイクが映えるのかしらね〜。素敵。
でもやっぱり濱めぐさんといえば、歌。
その場の空気がグッと良くなるんですよね〜〜。濱めぐさんが歌うだけで。
怖いし。美しいし。貫禄ありまくるし、素晴らしかったです。しかも、上手くて存在感があるだけじゃなくて、アイシスさまの感情もちゃんとわかる。「嫉妬でめらめら燃えてる」とか「メンフィスが愛しい」とか、「もはやメンフィスが大切すぎて苦しい」とか「メンフィスを陥れる現代の女が憎い!」みたいな、色んな感情が素晴らしい歌に乗って伝わってくるんです。もう、アイシスさまの感情がぐいぐい来る。すっごい届く。
でも、アイシスさまの根本はメンフィスが好きで、大切ってだけで。純粋にメンフィスとエジプトのことを思いすぎて、思考がヤバい方向にいっちゃっただけというか。
マンガ読んでないからそんな深いこと言えないけど、キャロルもアイシスさまもメンフィスに向けてるのは愛なんですよね〜。
種類がちょっと違うだけで。なんだか切ないかわいそうな王妃さまでした......。
とにかく、自分の想いを歌い上げるシーンはも〜〜〜〜〜最高でした。強い。

平方元基さんもね、すっっっっごいかっこいいんですよ。歌うまいし。
イズミル王子もメンフィス様と一緒で、まじなんでキャロルを好きになったんか謎なんですけど、とにかくかっこよかった。
主に出番は後半で、すごいスピードでいつの間にかキャロルに落ちてるから「え??なんで??」ってなったんですよね。未来の知識を持つ金髪の少女がそんなに好きか......。でも、野心があって美しくて行動派の王子って抜群にかっこいいので目で追っちゃうんですよね......。
歌声も素敵で。しっかりお腹から声がでてて、めっちゃ歌い上げるんですよ。甘い歌声でかっこいい〜。ずっと聞いてたい〜〜「はぁ〜」ってなってしまうことうけあいです。顔も抜群にいいし......。
浦井さんは正統派だけど、平方さんはもうちょっとカジュアル系な歌声だと思いました。すごく素敵。(もっと観たい、他の出演作のチケット取ろう)
姿もね、銀髪で白いローブでまあまあコスプレなんですけど、かっこいいこれはもう顔がいいから着こなせてるんでしょうね......。
キャロルに向かって、「俺の女になれ」的なセリフを言ってた気がするけど、そんなんもう「なります〜」ってなるでしょ。俺様な王子素晴らしいですね。
う〜ん、やっぱり三角関係良い。王道少女マンガですね。バックハグもやってたし無理矢理キスもやってましたね。少女マンガあるあるだわ......。

キャロルは宮澤左江さんの日だったんですけどね、歌下手すぎて聞いていてほんとにつらくて。周りがみんな上手いから、悪目立ちしていてもはやかわいそうでした。
なんでしょう、無理矢理声を出そうとしているからかな。キレイじゃないんですよ、声の出し方が。あと、お腹から声が出てなくて、がなり声みたいになってました。ぜんぜん胸に響かないし、べターってしてるんですよね。
アイシスと違う歌詞を重ねて歌うシーンがあったんですけど、もう濱めぐさんに食われてて、ぜんぜん入ってきませんでした。キャロルとアイシスが、それぞれメンフィスへの想いを歌うシーンだったのに、ヒロインの想いが観客に届かないのは問題だと思うんですよ。。。
他の人たちは、みんな歌に色がついていて、いろんな感情が歌に乗ってこちらに届いてくるんですけど、キャロルはぜんぜんそういうのがない。なんだか歌詞をそのまま口に出しているだけ。帝劇のヒロインを演じているのに、そんなんでいいの....? もっと頑張ってほしい、再演なのに......。
お客さんが、Wキャストのもう片方の日に行けば良かったって思うの、ほんとダメだと思う。実際わたしは、宮澤さんの日じゃなくて、新妻聖子さんの日に行けば良かったって後悔した。

全体的には、ストーリーの内容はあって無いようなもんだけど、音楽がとにかくいいし(さすがリーヴァイさん)、キャストもいいし、胸キュンポイントあるし、「細かいことは気にするな!! やったね!!! ハッピーエンドだ!!」って感じで良かったです。
こういうのもいいかも。 

2017年4月29日 帝国劇場にて(2020年加筆修正)