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「ビッグ・フィッシュ」

2017年4回目の観劇。
ティムバートンの映画が印象的なビッグフィッシュが日本版になって登場! これぞブロードウェイミュージカル! と感じる、明るくハッピーでホロっと泣ける最高のミュージカルでした。

あらすじ
エドワード・ブルームは、昔から自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。
幼い頃のウィルは、父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなり、親子の溝は決定的なものとなっていた。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーンと両親の家に帰る。
病床でも、相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒルという女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった-。

エドワード役の川平慈英さんがもう喋りっぱなし! 
歌って踊って笑って大忙し。稽古場のときからずーーーーっと明るくて、「ムードメーカーを超えて、もはやムードだった(by藤井隆)」とのこと。それを感じる、包容力というか人をとりこにする力というか、キャストみんなが川平さん好き!って思ってるのが伝わりました。こんなに歌える人だとは思っていなくて、びっくりしっぱなし。ハケる場面あんまりなくて出ずっぱり。ずーっとしゃべってるし、ずっと動いてるし、すかさずタップを踏むし、このエネルギーはどこから? と疑問。とにかく、エドワードブルームは川平慈英にしかできない役だなあと思いました。

あ、稽古場写真でマンウィズTシャツを着ているのを確認しました。やっぱり好きなのね。Take What U Want ツアーのTシャツでした。わたしも同じの持ってるぜ、川平さん。

息子のウィル役は浦井健治さん。
歌上手いしイケメンだし、何人かいるミュージカル界のプリンスの内の一人だもんね。さすが、きらめいていました。エドワードのナンバーが多くて、浦井さんが歌う場面はそんなになかったんだけど、それでもすごく印象に残る歌唱力! 心に迫る歌でした。まじめで父親のホラ話なんか信じるわけないと冷めてる場面から、父親を見直して、最後までそばにいようと心を入れ替える場面までの流れ。心情の動きもよくわかるし、観客を置いてきぼりにしない丁寧な感情表現が良かったです。そして自分の息子に、自分が父にしてもらったように接する姿をみて、ものすごくあったかい気持ちになりました。

母親のサンドラは霧矢大夢さん。
もうね、ティーンの少女から孫を持つおばあちゃんまで演じきる素晴らしさ。きりやん輝いてました。あとメイク上手だからもう外国人の娘さんにしか見えない。超美しい。最高に美女。エドワードの話に出てくる美女はたいていサンドラだから、アラバマの子羊ちゃんから戦地の兵隊を励ますショービズの美女までもれなく全部きりやんなんですけど、どの衣装も最高に似合ってて、細いしスタイルいいし完璧。
歌も踊りも素晴らしくて、耳も眼も幸せでした。やっぱり黄色い水仙に囲まれてサンドラと結ばれるシーンは本当にロマンチック。きりやんのほうが背が高くて、川平さんが勢いつけてえいってキスしにいってるのも含めて可愛いのです。

隣に座ってるマダム二人が、「霧矢大夢さんって宝塚出身なのね〜踊りがものすごく上手ねえ、群を抜いてるわ」って言ってた。でしょ〜〜!!!(何様)

ウィルの妻はねねちゃん。
安定のお姫様感。庇護欲をそそる素敵な女性です。でも、ちゃんと夫のことを考えてて、行動を起こす芯の通った女性。ねねちゃんにぴったりだよ......。ダンスシーンも優雅で、素晴らしかった。浦井さんとの身長差も黄金比率って感じ。おさまってて可愛い。ちえさんが相手じゃなくても綺麗だよねねちゃん。

どの歌も元気が出るし、じーんとくる。
冒頭の川平さんの歌「Be the Hero」ですぐ泣いたし、きりやんの「I Don't Need a Roof」も泣いた。
元気のいいポップな曲から、ジャズ風でかっこいい歌、カントリー調の歌、しっとりしたバラード、壮大なバラードまで、バラエティー豊かな楽曲で、ストーリーが進むのと同時に次の曲はどんなのかな、と音楽も楽しめます。

観終えたあと、家族の声が聞きたくなる作品でした。

2017年2月18日 日生劇場にて(2020年再編集)