美容医療について

最近いろんな人に聞かれるトピックです。

以前と異なり、芸能人とか”お金持ち”的な限られた人だけではなく、ごく普通の人が美容医療を気軽に受けられる時代になりました。仕事で出会う読者さんや同業界の人たちも、普通にあれこれやっているようです。そんな流れもあってか、「やったほうがいいの?」とか「いつかはやらなきゃいけないの?」とか、いろんな質問をいただくことがあります。

結論としては「やるもやらないも自由」なんですが、私は基本的にあまり積極的に推奨、実践はしていません。たくさんのドクターや美容のプロに取材をして、以下のようなことが引っかかっています。

・儲け主義のクリニックがあること。本当にクリニックの技術やサービスの質がピンキリです。なかには、実際に施術をするドクターでなく、「営業担当」「接客担当」のスタッフさんのカウンセリングのみでメニューを決めるようなところも。それはちょっとまずいと思います。なぜなら、その人の顔を見ないと、適切なメニューはわからないので。また、患者さんが自己申告で希望してくるメニューが、その人にとってベストな選択とは限りません。「あなたの場合はこっちの方がいいですよ」と言ってくれる先生を選ぶ必要があります。また、「やりすぎになるのでこの施術は必要ないですよ」と止めてくれる先生の方が良いです。さらに、オペをするお医者さんがアルバイトの医学生さんだったりして、高度な形成手術の場合、左右が非対称になってしまったりとか、技術が不足して仕上がりに難があるというケースも聞いたことがあります。(これは相当恐ろしい例ではありますが・・・)顔のデザインにはセンスも関わってくるので、よほどの信頼できる先生でない限りは、ハードなオペは避けた方が良いのではと思っています。基本的に、広告をしているところや、「お得なメニュー」を謳っているところ、大きなチェーンのクリニックは避けた方が無難です。

・加齢に伴う変化があること。美容医療の技術がこれほど進化したのはこの数十年くらいのことなので、受けてから数十年後にどんな顔になっていくのか、また体にどんな影響があるのか、完全に検証しきれていないと思います。鼻のプロテーゼが下がってきた、とか豊胸のバッグが上がってきてしまうとか、怖い話を聞くことがあります。また、施術を受ける時点でのトレンドや気分が反映されるので、将来ずっとその顔を愛せるか、という観点も出てきます。自然に形作られた顔のパーツを変えると、全体のバランスが変わってくるので、「もっともっと」とさらなる施術に走りがちなのも気になります。

・顔と体はセットであるということ。美容医療というと顔にとにかくお金と労力をかけると思います。が、他人が見ているのは横顔や首すじ、手元、ひじやかかとといったパーツだったりするんですよね。特に首は薄い皮膚の下に、大事な器官がたくさん走っているパーツ。医療でケアが難しいのです。となると、顔だけ若返っても、結局は首が年齢を物語るので、「顔だけ若い人」になってしまいます。(それでもいい!という人は止めないです)あとはどれだけ医療で顔がパーフェクトになっても、運動不足で体がむくんでいたり、贅肉が過剰についてたるんでいたりしたら、あまり若々しい印象にはならなそう。全身の印象は大切だと思います。

・結構マメにメンテをしないといけないこと。私は一回だけハイフを受けたことがあるのですが、3〜5万円くらいの施術をしたとして、効果は3ヶ月程度持続と聞きました。そうすると、年に4回通って、一年で12万〜20万くらいの出費ということになりますね。個人的には、通う労力と予算が負担だな〜と思い、かなりハードルが高いと感じました。今30代で、仮に60代までに続けるとしたら……とんでもない金額になりそうです。一回やれば終わり、ではなくてずっと通い続ける必要があるので、まったくもって「一発逆転」的な感じではありません。仮にリフトのための糸を入れたとしても、さらなるエイジングでまた肌はたるんでくるもの。どこかで、己の老化を受け入れて、折り合いをつけるのが生物として自然なように感じてしまいます。さらには、たとえばレーザーでシミをとったりしたとして、きちんとUV対策や基本のスキンケアをしないと、結局またシミができてくる……という繰り返しなので、美容医療をやったからといって、基本のお手入れを省けるわけではないのです。そう考えると、自分の場合は、普段のお手入れをちょっとマメに行って、それを継続する方が今のところは楽だな〜という結論に。しっかり日々老化は感じていますが、時間を巻き戻すことはできないので、過剰に気にしないように心がけています。

以上のような理由で、あまり積極的ではないのが実情です。実績と信頼のあるクリニックで、埋没二重とか、眼瞼下垂対策とか、医療脱毛とか、ピーリングとか、たまに軽めの施術でテンションを上げるとか、そのくらいにしておくのがいいんじゃない?というのが個人的な意見です。

ちなみにドクター曰く、「血流対策とむくみ対策は、医療の分野でドラスティックに改善させる方法がない。(せいぜい内服くらい)だから基本的には生活習慣を見直すしかない」とのこと。つまり、めぐり対策とむくみ対策は、自宅で手軽にできる大事な美容法みたいです。ぜひ日々のなかで実践してみてください。

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