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クマとかシカとかは自衛隊が出動できる自然災害に扱うべきか

 毎週のようにクソみたいな陳情が来ていて、政策課題に落とし込めるのかって訊かれて面倒くさい日々ですが、最近ちょっと「おっ?」と思ったのがクマやシカなどの獣害対策で自衛隊を派遣できないのかっていうゴミみたいな陳情です。

 最初受け取ったときは「おまえ自衛官をなんだと思ってるんだよ」と思ったんですが、北海道や秋田では地元有志がわずかな手当てで猟友会の皆さんが身体を張って自然の驚異(ただしクマ)から国民の生活を自衛的に守ってきたのは事実です。ところが、猟友会自体が高齢化したり、人里に降りてくるクマの数の急増が予見されたりして、とてもじゃないけど人間社会がクマに敗北をしかねないという割と待ったなしな状況になっているとの話で。

 なんか切実な陳情を見ていると「猟銃が命中しているのにそのままクマが突進してきて襲われ怪我をした」とか「猟友会2名で対応していたらクマ4匹が同時に登場して非常に危険だった」など、危機的な状況に陥っている我が国の前線(フロントライン)の惨状が伝わってきます。負けそうです、我が国。

 ついでにシカも大量に出てて困ってる話があり、そういう相談を受け取ったトウシロの私からしますと、そういうのは問題になる前にみんな撃ち殺しちゃえよって簡単に思うんですけど、これはこれで地元の負担になっているのだそうです。大変ですね。

 シカはシカで、ニホンザル同様増えすぎて「シカの食害で山林が枯渇し保水力がなくなり耕地が水浸しになった」とか「高山帯にシカが逃げ込んで山を回り込んで出没するようになったため、シカが機動的過ぎて人間側の対応が追い付かずやられ放題である」などの人類の劣勢が伝えられています。どうしてこうなった。

 そこで、困っている道県ではクマやシカの退治予算を使って対策を打ちましょうという話が出始めているのですが、観る限り、肝心のクマやシカ自体がどこに出てくるか分からないのでうまく道県の政策で対応できないってことらしいんですよね。

 で、出てきたのが「人智を超えた獣害への対策は、実質的にこれは災害なのだからどうにかならんのか」って話で、要は災害対策基本法に獣害をぶっ込んで要請に基づいて自衛隊出動できるようにしろって話です。

 …なに言ってんだおまえ。

 とはいえ真面目に考えていくと、災対法では「暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害」の扱いである限り、あれっ、これって法の趣旨に照らし合わせてみるとその他異常な自然現象とその他及ぼす被害に該当はするのでは…?

 たすけて岡本正! と思って類書を引っ張るも獣害をまともに検討した形跡はなし。ですよねー。

 あと、クマが出た市街地での防災活動は警備警邏の範疇なのかという話が出てきます。一言で言えば警察VSクマ。クマは公権力に屈してしまうのか。

 警察行政の本を紐解くと、できるのはクマ出現した目撃情報や被害を元にパトロールすることはできても、ナンブぶっ放してクマ退治は緊急回避ぐらいしかできず、能動的にクマを探してブチ殺すことはできなさそうです。

 環境省は、警察官の指示が無くてもクマの駆除を猟銃使用許可となる鳥獣保護管理法の改正方針案を出してますが、改めて見たけどなんだこの法律と法律施行規則…。事件は会議室で起きてるんじゃないって墓の下から織田裕二が出てきてしまいそうです。

 まあそんなわけで、環境省としてもクマがこんなに増えて国民生活に大きな不安が発生するようなことは想定していなかった以上、これはもう津々浦々に自衛官を常駐させて目撃証言があり次第急行して撃ち殺すとかそういうダイナミックなことをやらないと美しい日本の国土強靭化は進まないのではないかな、と思いました。

 割と真面目に議論を開始したほうがいいような気はしますが、こんな話をいつブチ切れて解散するか分からない俺たちの岸田文雄さんの政権でおっぱじめるべきなのかは意見の分かれるところなので、あくまで頭の体操的な思考実験で収めておいて、もっとたくさんクマで人が亡くなったり被害が増えたりした段階で本稿をお読みの各社皆さんは「ボク言いましたよね」って言えるだけのアリバイを用意しておいてください。

 画像はAIが考えた『クマからの襲撃で災害対策を必要とする現場の問題』です。


神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント