お前らmerchu社・折田楓さん叩いてるけど、元請けに電通のいない地方自治体の発注なんてほぼ全部あんなもんだぞ
斎藤元彦さん再選後のすったもんだですっかり人気が全国区になりはあちゅう(伊藤春香)さんと並び称されるに至った折田楓さんの件
まあいまのままなら逮捕なんだろうけど、公共事業周りでは割とやり手の新進気鋭のPR会社で、即応してくれるから評判も良かったんすよね。何でこうなった…。
身近なところに着弾したんであらかじめ書いておきますが、地方自治体のPR事業の発注なんてだいたいみんなあんなもんなんですよ。
だいたい自治体の広報担当職員で、
バリバリにネットに詳しいとか、
すごいデザインセンスがあるとか、
そういう人なんてほとんどおりませんですよ。なにより、知事や自治体首長で「市民とこういうコミュニケーションをしたい」ので「意図をわかりやすくするために、こんなデザインでパブ発注したい」なんて滅多にありません。
発注側のパブへの解像度が低いから、ウェブやデザインが分かっている人たちからすれば「えっ、こんなデザインやコピーで自治体が発注しちゃっていいの」ってなるのも当然じゃないですか。
自治体で働く地方公務員の皆さんも、これじゃいけないと思いつつ、なかなか人も補充されない、市税が人口減少と高齢化で減っていく中で猛烈に忙しくしています。そんなとこでポスターデザインとか民間並みに吟味して発注してくるところなんてほとんどないんじゃないでしょうか。
で、今度は折田楓さんが手がけた『ゆるふわ原爆ドーム』が流れてきました。まあ… これ単体で見ると、確かにどうなのよっていう人は出るでしょうね。私もパッと見たら、そう思わないでもないです、正直なところ。
ただまあ、広島市に限らず、自治体のこの手のデザイン、特にディスティネーションキャンペーン的なののクリエイティブや、受注してる事業者、ちょっとでいいから一般入札サイトから辿って並べて見てみてくださいよ。「うん…」とか「そう…」みたいな案件ばっかりです。
で、残念ながら長らくこの辺の自治体の発注を何とかいままで品質担保してきたのは電通グループとかです。なんだかんだ、ちゃんとした人がプロジェクトの意図を自治体から聞いて、デザイナーにも理解してもらえる言語に翻訳して発注して、納期と品質を守らせ、最低限以上の内容にして回してきたのが実態です。
ただ、いわゆる丸投げ批判とか、電通中抜きとかネットで叩きまくって、電通も言うほど儲からないこんな地方自治体の仕事にまともな人貼り付けて苦労しても叩かれるんなら事業ごと辞めちゃえってなるわけですよ。下請けも、実績にはなるけど儲からないし叩かれるならやらない、ってなるの、当たり前じゃないですか。
そう言うところに出てきたのが、いわるゆPRエージェンシーとか、地方自治体向けのコンサルタントです。そんな中では、折田楓さんは割とまともなほうだと思うんですが、何も分からない自治体が食い物にされグダグダになる
さらに「ふるさと納税」とか地方創生、脱炭素先行地域、広域連合の関連事業とか無駄の嵐なんですが、それこそ公金ちゅーちゅーしているのが地方ゴロのような変な経営コンサルタントやPRエージェンシーです。
弊所でも地方自治体から「なんかうまく行かない」と相談されてレビューとかやったり、変な個人情報保護条例どうにかするために板倉陽一郎派遣したりいろいろ頑張ってますが、東京や大阪などで競争に負けて飯が食えないデザインハウスとかが自治体の緩い発注に向けてコンペしにきてるの見ると悲しくなります。
泉房穂さんとかまともだったのはその辺の事業全部市民のためにならないならやめちゃえって英断してますが、そういうのってのは首長がやりたいって施政方針に基づいて市民とどうコミュニケーションを取り、そのための広報事業としてどういうデザインが相応しいのか、きちんと専門家として正しく品質の良いアウトプットを納期守って納品することです。
これを僅かな利益で担保してきたのが電通だったのが、変な陰謀論で悪の組織にされてやめられてしまい、ゴンみたいに「お前だったのか、地方行政コミュニケーションの品質を担保してくれていたのは」って撃ち殺した後で気づいたのがいまです。
「地方自治体なんてたいした人がいないんだから」って意味ではなく、衰退する地方において地方の役所も議会も満足に人が選べないし増やせないから限られた仕事量で全部やらされているのが元凶ですよ。それこそ人と予算がいっぱいあれば、上に小池百合子女帝がいてホホホとか言ってても小池さんもしたいことをし、やるべき事業は粛々と進んで組織は回るんでしょうけど、広島市をや、ですよ。
でですな、こっからが本題ですが、
こう言う問題で騒がれると、偉い人たちが出てきて「お前らの自治体でも類似のゴミ事案があるかもしれないから全件発注と納品状況をチェックしろ」とか言われるんすよ。
あのなあ、こっちはクソ忙しいんだよ。いまだってパッションに煽られて偉い人面談待ちの間スマホ片手に原稿書いてるぐらい大変なところで「おい、地方自治体の事業レビューさせるからガイドライン考えろ」とか「ペーパー出せ」なんて言われるの超だるいじゃないですか。相手は生涯名誉平成一桁総務省入省自治官僚とかですよ。こっちはただの出入り業者のシンクタンクのバイトだっつーのに。
お金がね、ないんだよ。人もいないから折田楓さんでも頑張れる人を本当は応援して、ちゃんと仕事ができる環境を地方自治体にも作らないといけない。でも無理なのは分かってるから、品質は低くてもまずは納品してくれる業者を選ぶしかないじゃないですか
そこへきて103万円の壁、所得控除ですよ。おいおいおいおい、なんで自主財源削れる施策をのこ年末の激忙しいところでやるねん。公布即施行とかやめてほしいし(検討もしたくない)、地方交付税交付金は翌年度だし減収分の75%しか担保されないし再建債も間に合わないので潰れかねない自治体には猶予措置考えなきゃいけないんじゃないですか
そういう壊れかけた世界の地中で、アトラスのように支えていたのが電通グループだったんですよ。可哀想な電通。あんなにキャッシュアウトしちゃって… 君のことは忘れない
国有化されろ